食欲の秋ということで、日本の秋の味覚が恋しいところですが、実はドイツでも柿が「Kaki」という名称で一般のスーパーマーケットで売られていたり、アジア系のスーパーでは梨も手に入れることができます。さらに、もう少し冬が近づくとクリスマスマーケットで焼き栗も。
そこで今回はドイツ人の秋の楽しみ、発酵途中のワイン「フェーダーヴァイサー」についてご紹介します。
「フェーダーヴァイサー」とは?
「フェーダーヴァイサー(Federweisser)」とは、収穫したばかりのブドウで作られる、非常に若いワインです。「フェーダーヴァイサー」という名前はドイツ語で「白い羽根」を意味します。グラスの中で酵母菌が小さな羽根のように舞うことに由来しているようです。発酵中の酵母が、搾り立てのブドウ果汁に含まれる天然の糖分をアルコールに変える際に二酸化炭素が発生するのですが、このワインはその発酵段階で市場に出回ります。発酵が終わりきっていないため、スーパーでは瓶のふたが軽く閉められただけの状態で売られています。横倒しや、ふたをきつく閉めるのはご法度です。
そしてスーパーで陳列されている間にも発酵が進むため、アルコール度数も上がっていくという、まさに鮮度が命の旬の飲み物。このワインは9~10月にかけて期間限定で市場に出回ります。ドイツ人の友人から「絶対飲んでみて! 今の時期限定でいろんなスーパーで売っているよ」とおすすめされ、早速購入してきました。
実際に飲んでみました
大型スーパー「Kaufland(カウフラント)」では、冷蔵の大きな棚をまるまる1つ使って陳列されていました。このワインには主に2種類あり、白の「フェーダーヴァイサー」と、赤の「フェーダーローター(Federroter)」(ロゼを含む)があります。今回は初めてだったので両方を買って飲み比べてみることにしました。
気になるお味は、赤白ともに普通のワインとは比較にならないほどフルーティーで、特に白はリンゴジュースのような甘みを感じました。アルコールを飲んでいる感じはほとんどせず。アルコール度数は、白は9%、赤は9.5%とラベルに書いてありますが、ジュースのような感覚で飲め、しばらくたっても酔いが回ってくることはありませんでした。
冷蔵庫で保管した残りのワインを翌日も飲んでみると、甘みが若干薄れ、酸味とコクが出てきて、ジュースというよりもワインに近い風味を感じるように。さらに翌日はその傾向が顕著で、1日1日と本来のワインの風味に近づいていきました。