2NE1から始まった!? K-POP女性ボーカルたちの特徴的な“歌い方”
ゆりこ:まずは「歌い方」。K-POPの曲を聞くと、いくつか歌唱法のパターンがあるのに気付くかと思います。例えばJ.Y.Parkさんの「声半分、息半分」という名言(迷言?)でおなじみの歌い方もあれば、伸びやかに張り上げるような歌い方をする人もいます。前者がJYPスタイルだとすると後者はSMスタイルとでも言いましょうか。そんな中で、ちょっと鼻の奥から鳴っているような声……伝わりますかね? BLACKPINK、そしてBABYMONSTERだとラミさんの歌い方。
矢野:ああ、分かります。YGって感じの声、ありますよね。鼻と喉の中間でブレスが行ったり来たりしている感じ、ハスキーで鋭さもある。BLACKPINKのロゼさんもYGらしい歌い方ですよね。
ゆりこ:そうそう。これを「YGボイス」と呼ぶ人もいるそうなのですが、今ではYG以外のアーティストにも広まっていますよね。私はあの歌い方をK-POP界に広めたのは2NE1だと思っています。特にボムさん。
矢野:言葉で表現するのは難しいですが、こういう歌い方の女性アーティストは確かに増えましたよね。
ゆりこ:今でこそ耳なじみがありますが、デビュー当時ボムさんの声自体はもちろん、歌い方がとても新鮮でした。先にデビューして人気を博していた少女時代、KARA、Wonder Girlsの歌い方とは全く違うのが素人耳にも分かりましたよ。こういう歌い方もあるのか! という発見。
矢野:貫禄や重厚感を感じます。実際にお上手なんですけれど、より上手に聞こえるといいますか……R&B、ブラックミュージックの香りもします。
ゆりこ:そしてCLさんのラップも以降の女性ラッパーのスタイルに少なからず影響を与えたと確信しています。Kep1erのヒカルさん、ちゃんみなさんも憧れのロールモデルとして挙げています。
矢野:平昌で行われた冬季五輪閉会式でも韓国代表としてパフォーマンスされたんですよね。
ゆりこ:そしてミンジさんとダラさんについても触れておきたいです。2NE1のダンスの核といえばミンジさん。彼女のすごいところはダンスの才能に加え、ボムさんに引けを取らないほど歌がうまいことです。ダンスも歌も超完璧! そしてダラさんは見て分かる通り、少女時代のユナさんに並ぶ、第2世代アイドルを代表するビジュアルメンバーです。
矢野:今でいうIVEのウォニョンさんやaespaのカリナさんのような?
ゆりこ:そう。ルッキズムを助長しかねない発言で恐縮ですが、THE・美女。そんな彼女が「万人受け? それが何?」とでも言いたげに髪の毛を逆立て、先鋭的なメイクとファッションで歌い踊る姿は“時代と価値観の変化”を強く印象付けるものでした。
矢野:これまで2NE1によって切り開かれ、新しく生み出されたもの、今のK-POPにつながる影響についてお話してきました。そして気になるのは彼女たちの楽曲のこと。どんな曲を歌ってきたのか、その魅力については後編で聞かせてください!
ゆりこ:次回は2NE1の代表曲を中心に音楽面での話題を取り上げていきたいと思います。引き続きお付き合いください!
>次回(#40):「2NE1」の真骨頂はネガティブソングにあり!? デビュー15周年、再結成する今こそ聞いてほしい“名曲”
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K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウォッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。
編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやビジネス記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)&MOA(TOMORROW X TOGETHERファン)。