モヤモヤの残る解散劇から8年、奇跡のカムバックを果たした背景
ゆりこ:解散要因についてはもろもろ言われていますが、ボーカルのボムさんが起こした薬物関連のスキャンダル(不起訴)と体調不良、ミンジさんの脱退……そして事務所からの解散発表。K-POPの第2世代を盛り上げた“女王”たちのエンディングとしてはあっけなさ過ぎて。後日談としてメンバーが語った内容を聞くに、本人たちも不本意のまま終わってしまったようです。なので、2NE1の再始動はファンにとってめちゃくちゃ喜ばしいニュースなのです!
矢野:ひしひしと熱が伝わって来ました。ここで疑問なのが、なぜそのような終わり方をした2NE1が再結成することになったのか、ということです。
ゆりこ:先ほどお伝えしたように、2022年のコーチェラ・フェスティバルでの再集結や、メンバーの発言から連絡を取り合っていたことも明らかでしたし、「再び集まることはあるのかも?」と期待させるニュースはちらほらありました。まずは本人たちにカムバックの意思があったこと、そして待っているファンの存在。この2つが大きかったのだと思います。さらにYGエンターテインメント(以下、YG)側のオトナの事情、思惑も作用していると見ています。
矢野:その「オトナの事情」のところをぜひ詳しく。
ゆりこ:ここ数年のYGはグッドニュースよりバッドニュースの方が多かったですよね。創業者や所属アーティストの不祥事、さらに稼ぎ頭だったアーティストたちが専属契約ではなくなり、続々と独立していきました。若手グループも育ってはいますが、もう1つ盤石な何かが欲しいところだったのではないか? と。あくまで推測です。
矢野:そこにピッタリの逸材が、ということですね。いずれにしろ、メンバー、YG、そしてファンが「三方よし」なら良いのではないでしょうか。ゆりこさんをはじめ、こんなに喜んでいる人がいるのですから。ただ、この流れで非常に申し上げにくいのですが……正直、僕は通ってないんです、2NE1。なので最近K-POPを聞き始めた人も、実はよく知らないんじゃないかな? と思っています。
ゆりこ:正直なご意見、ありがとうございます。それも当然ですよね。この約8年間、ソロ活動はあってもグループとしてはポッカリ空白期間でしたから、K-POPファンの中でも大盛り上がりしている層と、ピンと来ていない層がいることも理解しております。簡単に2NE1について説明しますと……。
・2009年に「BIGBANGの妹分」としてYGからデビューし、2011年には日本デビューも果たす
・デビュー時からBIGBANG、BLACKPINKを手がけたパク・テディがプロデューサーとして参加
・斬新なスタイルと強いインパクトとメッセージ性のある楽曲で支持を集め、K-POPにおける「ガールクラッシュの元祖」と評されている
・2016年11月に解散を公式発表、そしてデビュー15周年となる2024年に7月に再始動が発表された
・メンバー
CL:カリスマ的存在感を持つリーダー。力強さと優美さを兼ね備えたラップでソロアーティストとしても活躍中。2018年の平昌冬季五輪閉会式では韓国を代表するアーティストとして圧巻のパフォーマンスを披露。
ボム:メインボーカル。アメリカで育ち、バークリー音楽院で音楽を学んだ後、25歳でデビューした遅咲きディーバ。YGの創業者、プロデューサー、G-DRAGONらが手放しで絶賛するパワフルで唯一無二の歌声を持つ。
ダラ:ボーカル担当で、タレントとしても才能を発揮。個性の強いメンバーたちをまとめるムードメーカーで、K-POP第2世代を代表する“ビジュアル担当”でもある。
ミンジ:メインダンサーで、ボーカルもラップも担当するオールラウンダーな最年少メンバー。幼少期からダンスの神童として有名で10代でデビューした天才ダンサー。ソロアーティストとしても活動中。