AIに負けない子の育て方 第15回

親子ゲンカはもうおしまい。中学受験で子どもを追い込まず、信頼関係を高める「親の関わり方」2つ

子どものためを思って中学受験を始めたのに、親子ゲンカが増えて家庭の雰囲気が悪くなったと感じている人もいるのでは? 今回は中曽根陽子さんの新刊『親子で勝ち取る最高の合格』の一部を抜粋・再構成し、子どもを追い込まない関わり方をご紹介します。

『親子で勝ち取る最高の合格』#3

中学受験を最高の経験にするために何より大事なのは、「親と子どもとの信頼関係」です。

断っておきますが、最高の経験とは、志望校に合格することだけではありません。

受験なので合格はもちろん目指しますが、それよりもやってよかったと思えること。そして、受験が終わったあとも子どもが成長し続けられるようになること。この2つが成し遂げられてこそ、「中学受験が最高の経験になった」といえるのではないでしょうか。

そのために、受験軸を決めること、それを家族でたまに見直し修正することが必要だということを拙著『親子で勝ち取る最高の合格』でお伝えしています。

ただ、それも「親子の信頼関係」があってこそできます。信頼関係がない相手に本音は言えませんし、前向きな話し合いはできません。長い受験生活の中では、予想もしないことが起きるでしょう。気持ちや決意が変わることだって、当然あります。

そのときに、対応の仕方を間違えると、親子関係にヒビが入るだけでなく、子どもの心に傷を負わせてしまうことにもなりかねません。

だからこそ、何か困ったときに話し合える関係性でいることが、親子でタッグを組んで行う中学受験にとって大事なことなのです。このとき、親が子どもとの関わりや日々の暮らしの中で気をつけたいのは次の3つ。

・壊さない
・追い込まない
・構いすぎない


この記事では、2つ目の「追い込まない」についてご説明します。

親子の信頼関係づくりで大事なのは「追い込まない」こと

子どもを追い込まないために大切な関わり方とは?
子どもを追い込まないために大切な関わり方とは?
少しでも成績を上げようと、子どもの横に張りついて勉強をさせたり、仕事で使うような「完璧な学習スケジュール」をつくって、計画どおり進んでいるか随時チェックしたり、毎日のやるべき課題を全て紙に書いて子どもに渡したり……。

一概にこれらが悪いとはいいませんが、親が受験に必死になりすぎると、気づかぬうちに子どもを追い込んでしまうこともあるので、注意が必要です。

親のコントロールがいきすぎると、しこりが残ることがあります。

また、両親ともに受験に必死になると、子どもの逃げ場がなくなってしまいます。反対に、無関心もやめましょう。受験軸を共有したワンチームとして、ゴールを目指すのがベストだと思います。ここからは、心理学をベースにした子どもを追い込まない2つの関わり方をお伝えします。
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子どもを追い込まない2つの関わり方
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