8月4日、タレントのフワちゃんが、元陸上自衛隊でお笑いタレントのやす子さんに対して発信したX(旧Twitter)の投稿内容が問題視され、SNS上で物議を醸した。同ポストはすでに削除され、同日にフワちゃんはやす子さんに対する謝罪文も投稿したが、自身のラジオ番組が放送休止になり、さらには出演したCM動画が非公開になるなどの事態に発展した。
問題のポストに対し、一部では「フワちゃんが、自身の裏アカウント(以下、裏アカ)と間違えて、公式アカウントで投稿したのではないか」という憶測も飛び交ったが、6日にフワちゃんの所属事務所が某メディアの取材に対して回答した内容によると「投稿時点では、既に凍結されていたアカウントを除き、Xの別のアカウントはございません」とのことで、フワちゃんの裏アカは存在しないという新事実が明かされた。
今回の“フワちゃん騒動”で話題に上った「裏アカ」だが、昨今、有名人の裏アカの流出が後を絶たない。アカウントが特定され、イメージダウンにつながることが多いのは20~30代の女性タレントである。なぜ若い女性はリスクを負ってまで裏アカを持つのか。アラサーの女性3人に裏アカを持つ理由を聞き、さらに法的トラブルに発展する可能性について弁護士に聞いてみた。
裏アカ=本当に信用できる友人と共有するもの
「裏アカというと、わいせつなアカウントみたいに思う人もいるかもしれないけど、ほとんどの子が『親しい友達のみに本音をつぶやく場』か『閲覧用』として活用してますよ」こう話すのは、筆者の友人の久美子さん(仮名/31歳)だ。彼女は学生時代の友人30人のみが閲覧可能な本音をつぶやくためのXアカウントと、閲覧専用のInstagramのアカウントを持っている。
「私は本名でやっているアカウントもあって、それは仕事関係の人も見ているので、それとは別に裏アカを作ったんです。そこには仕事の愚痴とかを書いています。愚痴を個別で友人にLINEすると、相手が返信したくなくてもしなきゃいけないじゃないですか。でも、Xだったら独り言のようにつぶやけて、リプライしたい人が返信をくれる。独り言だけど、誰かが見ていることのメリットも享受できるのが裏アカの魅力です。閲覧専用のInstagramの裏アカは、“足跡”をつけたくないストーリーズのチェックや、“推し”の投稿を見るためだけに使っています」
若い女性の多くは久美子さんのような理由で裏アカを作成しているケースが多いのではないだろうか。一方で、こんな声も。
裏アカを持つのは「承認欲求」のため
「いわゆるエロ垢と言われる際どい写真を掲載することもあります。でも、裏アカで男性と会いたいとかそういう感情はなくて」こう語るのは、美波さん(仮名/33歳)だ。彼女は、27歳の時にXで本音をつぶやく裏アカを始めた。
美波さんは現在結婚して7年目になる夫と2人で暮らしているが、夫には裏アカを内緒にしているという。現在は数千人のフォロワーがいるが、実際の知人は1人もいない。
「ちょっとエッチな画像を上げた時に『ぽっちゃりの人好きです~!』とか『かわいい!』とコメントがついて。夫には女として見てもらうことがないので、コメントで承認欲求が満たされる部分があって」
美波さんは、Xを通じてリアルで会うことを提案されることもあるというが、会う気は一切ないという。裏アカはあくまで承認欲求を満たすためのツールなのだ。