失礼のない報酬と、保護者からは感謝を
では、どうすればよいのか。Xでも複数の人が指摘していましたが、やはりまずは失礼がない程度に医師に報酬を払うべきでは。お医者さんたちも「もっと払って」と要求を。もしこれまでも言ってきたのに変わらなかったのだとしたら、自治体や国の問題です。子どものことにお金をかけなさすぎるのです。子どもまわりのことは、なかなか対価の要求をしづらいものです。保護者にもそういった場面はよくありますし、部活動の指導をしてきた先生たちも同様だったでしょう。そこにつけこむやり方は汚いぞ、と言っておきたい。
そしてわれわれ保護者は、健診に来てくれるお医者さんたちに、感謝の意を伝えられるとよいのですが。診察の時間を削り、神経をすり減らし、大勢の子どもたちを診て、治療や対応が必要な子どもを見つけてくれて、本当にありがたいこと。もし顔を合わせる機会があるなら、直接お礼を言いたいところです。
なお、脱衣の健診を苦痛に感じるのは女児だけと限りません。男の子や、身体的な性別に違和感を抱いている子どもも困っている場合があります。何がなんでも全員に受けさせなくてもよいのでは。保護者に選択肢を与えると虐待痕を見つけられなくなる可能性がありますが、子ども自身に選択肢を与えることは必要ではないでしょうか。
この記事の執筆者:大塚 玲子 プロフィール
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』『PTAでもPTAでなくてもいいんだけど、保護者と学校がこれから何をしたらいいか考えた』ほか。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。