芸能界のルールがガラリと変わる可能性も
そんな“超絶ホワイト企業”であるSTARTO社ですが、松本潤さんは5月30日をもって独立することを宣言しました。嵐としての活動はエージェント契約を結んでいますが、先立って独立した二宮和也さんと同じく、今後は個人事務所で俳優業などを行っていくことになります。二宮さんにもいえますが、これまでの事務所であれば、独立してグループ活動を継続するのは不可能でした。というより、他の芸能事務所でもそんなに虫のいい話は通用しないでしょう。なのに、松本さんも二宮さんも独立しながら嵐を続けるという“ウルトラC”を達成。STARTO社の懐の深さを見せつける出来事になりました。
それに、これまでの事務所ならば独立後にタレントは苦戦するのが常でした。しかし、二宮さんはより活躍の幅が広がり、2024年7月からは『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)で主演を務めることが決定。バラエティ番組『クイズ 多い方が勝ち!』(日本テレビ系)もスタートし、YouTubeチャンネル『よにのちゃんねる』の勢いも継続しています。
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また、元V6の三宅健さんと岡田准一さん、元Kis-My-Ft2の北山宏光さん、元King & Princeの平野紫耀さん、神宮寺勇太さん、岸優太さん、さらに俳優の生田斗真さん、風間俊介さんら独立組も変わらぬ人気を確保。2024年3月に独立したKinKi Kidsの堂本剛さんも含め、独立してメディアから姿を消したタレントは1人もいません。
テレビ関係者からも「忖度(そんたく)はなくなった」の声
特に旧ジャニーズ事務所は独立に対して厳しい姿勢を見せ、テレビや雑誌などは退所したタレントを使いづらいプレッシャーを感じていました。それが、STARTO社に変わってから筆者の知り合いであるテレビ関係者に聞いても、過去に感じたようなプレッシャーはなく、テレビや雑誌も忖度(そんたく)は2024年に入ってすでに辞めているという意見が聞けました。STARTO社は契約だけでなく独立に対しても寛容になり、タレントは活動を自由に選択できるように。タレントを大切にする事務所だと周知することに成功し、今後は他の事務所にもこういった考えが波及していく可能性が大です。
かつて、同事務所は独特な運営方針で、ある意味で“日本の芸能事務所らしい”タレント管理を行ってきました。片や、STARTO社はアメリカなどで普通になっているエージェント契約や独立の自由を掲げています。真逆の運営方針をわざと取っているのかは不明ですが、海外のエンタメ業界にも精通している福田社長の手腕が生きているのは間違いないでしょう。STARTO社が、日本の芸能界をガラリと変えてしまう可能性すら秘めています。