【家電の寿命一覧】買い替えを検討するべきサインを家電別に解説

家電の寿命はさまざま。この記事では、家電の寿命や買い替えを検討するべきサインについて、家電ごとにご紹介します。

家電
家電の寿命は?
生活を支える家電製品は、日々の快適さを左右します。しかし、いつまでも同じ性能を保つわけではありません。効率や機能性を考慮し、適切なタイミングでの買い替えが必要です。

この記事では、各家電製品の平均寿命と買い替えのサインについてご紹介します。

<目次>
洗濯機の寿命:6年
エアコンの寿命:10年
冷蔵庫の寿命:10年
炊飯器の寿命:6年
電子レンジの寿命:6年
トイレの寿命:10年
掃除機の寿命:7年半
テレビの寿命:10年
食洗機の寿命:卓上型で7年、ビルトインタイプで10年
ドライヤーの寿命:3~4年
扇風機の寿命:10~12年
電気ケトルの寿命:5年程度
ノートパソコンの寿命:3~5年

洗濯機の寿命:6年

家電製品が故障したときに修理するための部品を家電メーカーが保有しなければならない期間として、家電ごとに「補修用性能部品の保有期間」が設定されています。この期間が洗濯機は「6年」。つまり製造から6年経過すると家電メーカーは部品を保有する義務がなくなるため、故障した際に修理できなくなる可能性があるのです。
 
もちろん、長年使われているポピュラーな部品の故障であれば、10年以上経過していても修理できる可能性はあります。しかし、そうでない場合は「6年以上経過して故障したら買い替え」と思って間違いありません。 

洗濯機は大型モーターによって洗濯槽を高速回転させる機械なので、かなり頑丈に作られており、10年以上故障せずに稼働する製品も多くあります。しかし、ほかの家電に比べてかなりモーターを酷使する家電なので、電気冷蔵庫やエアコンの「9年」、カラーテレビや電子レンジの「8年」に比べて比較的短めに設定されているのです。

6~7年で壊れてしまったら不運に思うかもしれませんが、そのくらいが寿命だと認識しておいてください。

▼参考記事
洗濯機の寿命はどれくらいですか? 買い替えのタイミングが分かりません

エアコンの寿命:10年

購入から10年以上前のエアコンであれば買い替えを検討した方が良いでしょう。なぜかというと、10年前に比べると、消費電力の節電性能だけでなく、快適性もアップしているからです。
 
数年前から「10年以上前のエアコンなら買い替えを」と言われており、実際には13年から15年前くらいのものは、買い替え必須と考えてください。

というのも省エネ法により、2010年度までに目標とする省エネ基準(2010年度目標)が定められているため、それ以降に発売されたエアコンは一定の省エネ基準を満たしているからです。2022年には2027年度目標が定められたので、今後発売されるエアコンはさらに省エネ性が高まると考えられます。
 
実際、10年ほどでエアコンが故障して買い換える人が非常に多くなっています。エアコンが急に壊れてしまうと大変なので、故障する前に買い替えた方が良いでしょう。

▼参考記事
エアコンは何年くらいで買い換えるのがベスト?

冷蔵庫の寿命:10年

購入時から10年たったら寿命が近づいていると考え、買い替えの準備を始めることをおすすめします。10年を超えたら、平均使用年数が近づいていますので、いつ壊れてもおかしくないと覚悟した方が良いでしょう。

また多くのメーカーでは、冷蔵庫の修理用部品の保有期間を製造後9年で打ち切りとしています。もしメーカーが1年ごとに新製品を出していた場合、前年のモデルは1年後には製造打ち切りになる可能性があるため、理論上は最新モデルで購入しても10年後には修理部品がないということになります。そういう意味でも、10年たっていたら買い替えを検討した方が良いでしょう。
 
以下のような状態は寿命のサイン。買い替えを検討してください。
・運転音がいつもより大きい
・冷蔵庫が冷えにくい、温度ムラがある
・水漏れが発生している

▼参考記事
「冷蔵庫」は何年で買い替えるべき? 運転音で“寿命のサイン”が分かる!?

炊飯器の寿命:6年

総務省統計局による耐久消費財の耐用年数の調査によると、炊飯器の寿命は約6年。実際、それよりも長く使える炊飯器もありますが、長く使っているとだんだんおいしく炊けなくなってきます。ポイントは、可動部である「ふた」とご飯を加熱する「ヒーター」です。

毎日の炊飯時やご飯を食べるときに開閉するふたは、炊飯器をしっかりと密閉して内部に熱を蓄えたり、圧力をかけたりする役割を担っています。また、保温時も水分の蒸発や乾燥、米の腐敗を防いでいるのです。このふたの閉まりが悪くなると、ご飯がおいしく炊けなくなったり、保温しているご飯の劣化が早くなります。

また、ヒーターが経年劣化し、しっかりと加熱できなくなると、甘みの足りないご飯になったり、べちゃっとしたりしてしまうことも。同じお米を使っていて、水分量も間違いないのにご飯がおいしく炊けなくなってきたら、炊飯器の故障を考えるタイミングです。

なお、高級炊飯器の場合は修理を依頼する手もありますが、故障している部分がヒーターなどの場合は修理費用が高額になることも。修理費用と買い替え時の購入代金を比べて検討しましょう。

基本的に炊飯器は世代を重ねるごとにご飯がおいしく炊けるようになっているため、5年以上使い続けているなら最新モデルに買い換えるのがおすすめです。

▼参考記事
炊飯器の寿命ってどれくらい? 買い替えを検討すべきサインは?

電子レンジの寿命:6年

総務省統計局による耐久消費財の調査では、電子レンジの耐用年数は6年とされています。この6年をめどに買い替えを考えるのが良いでしょう。

電子レンジを利用する中で、問題が起きやすいのがマイクロ波を発生させる部品であるマグネトロンです。食材がうまく温まらなかったり、電子レンジが動作しなくなったりしたときは、その多くがマグネトロンの寿命によるものです。

マグネトロンの交換費用はメーカーによりますが、作業代含めて2万円前後が一般的。このため、高価なスチームオーブンレンジなら交換修理も選択肢に入ってきますが、単機能電子レンジの場合は買い替える方が安く済むでしょう。

また、可動部であるドア周りや、操作ボタンなども故障しやすい部分。保証期間が過ぎている場合は、マグネトロンの故障時と同様、買い替えがおすすめです。

▼参考記事
電子レンジの寿命はどれくらい? 買い替えの目安はありますか? 

トイレの寿命:10年

現在多くの家庭に普及している温水洗浄便座・温水洗浄便座一体型トイレの場合、設置後10年程度を目安に買い替えを検討するべきとされています。

温水洗浄便座は電気製品のため、長年使用し続けることで電気部品が劣化し、発煙・発火を引き起こす可能性も。10年以上使用し続けている場合には、買い替えやメーカーによる有料点検を検討することをおすすめします。

温水洗浄便座が故障していないか確認すべき点としては、以下のようなものがあります。
・焦げ臭いなど、いつもと違う臭いがする
・便座が熱すぎるときがある
・便座コードの発熱やねじれがある
・水漏れをしている

また、便器やタンクの故障にも要注意。水道代の増加や、階下への漏水につながる可能性があります。以下のポイントをチェックしてみてください。
・洗浄時に漏水していないか
・便器やタンクにヒビが入っていないか
・紙や汚物が流れず残っていないか
・給水管の接続部分から水がにじみ出ていないか
・水が常にチョロチョロと流れ出ていないか

セルフチェックを心がけ、“買い替えのサイン”を見逃さないようにしてください。

▼参考記事
トイレの寿命ってどれくらいですか? 買い替えないと何が起きる? 

掃除機の寿命:7年半

内閣府の消費動向調査によれば、平均使用年数は2人以上の世帯の場合に7年半。買い替え理由として最も多いのが故障で71.9%となっています。

ただし、最もシェアが大きいコードレススティック掃除機の場合、約2~3年でバッテリー性能が低下したり、充電ができなくなったりすることも。このような場合には、バッテリーの交換の必要が発生します。メーカーのサポートやマニュアルなどを確認してみましょう。また、購入から一定期間が経って途中で運転が止まるようなことがある場合には、バッテリー以外の部品が原因のこともあります。その場合は買い替えを検討しましょう。

一方、コンセントに差して使うキャニスター型掃除機は、バッテリーを使わないため、交換が不要。ランニングコストをかけることなく、より長期間使うことができます。

▼参考記事
掃除機は何年で買い替えればよいでしょうか?【家電のプロが回答】

テレビの寿命:10年

内閣府「消費動向調査(令和5年3月実施調査結果)」によれば、2022年4月から2023年3月の間にカラーテレビを買い替えた世帯で、買い替え前に使っていたテレビの平均使用年数は10.7年とのこと。買い替えの理由は「故障」が64.8%、「上位品目への移行」が25.8%と、合わせて9割以上となっています。

消費動向調査によれば、薄型テレビ(当時は液晶テレビとプラズマテレビ)の普及率は2005年時点で11.5%とかなり低く、薄型テレビへの移行を促す「エコポイント制度」が始まった2009年にようやく54.9%と半数を超えました。当時のテレビは32インチクラスだとフルハイビジョン(1920×1080ピクセル)に満たない解像度の製品がほとんどでしたが、今ではフルハイビジョンどころか4K(3840×2160ピクセル)、8K(7680×4320ピクセル)の商品まで出てきていることから、「上位品目への移行」というのはより大型で解像度の高い製品への買い替えを指していると考えられます。

「故障での買い替え」が平均何年、「上位品目への移行」が平均何年かは分からないですが、どちらにせよ10年前後が買い替え時期といえそうです。

また、テレビの画面に黒い縦線が入ったり、色合いがおかしくなったりといった映像の乱れが生じたら、ほぼ寿命だと考えていいでしょう。

▼参考記事
テレビは何年くらいで買い替えるべきですか? 寿命を知らせるサインはある?【専門家が解説】

食洗機の寿命:卓上型で7年、ビルトインタイプで10年

毎日の食器洗いで活用する食洗機は、水を温めて噴射し、汚れを落とす家電のため、モーターやポンプ、ヒーター、各種センサーなど、多くの部品を搭載しています。さらに、洗浄水が漏れないように、パッキンでしっかりと密封されています。

これらの部品が故障したり、動作しなくなったりするだけで、食洗機は使えなくなります。総務省統計局による耐久消費財の耐用年数では、食器洗い機の耐用年数は6年。一般的には卓上型が約7年、ビルトインタイプの場合、約10年が寿命の目安となっているようです。もちろん、使い方によってそれよりも早く寿命を迎えることもありますし、長く使えることもあります。

もしも7年以上使っていて頻繁にエラーが出るようなら、寿命のサインかもしれません。それほど時間がたっていないならメーカーにメンテナンスを依頼するのも手ですが、修理ができなかったとしても料金がかかってしまう点に注意が必要です。

▼参考記事
食洗機に寿命ってありますか? 10年以上同じモデルを使っているのですが……【家電のプロが回答】

ドライヤーの寿命:3~4年

ドライヤーの平均寿命は、3~4年といわれます。これはドライヤーに搭載されているモーターの耐用時間が、一般的に130~140時間とされていて、それを1日につき5~7分間使った想定で導き出されたものです。とはいえ、ドライヤーの使用時間や環境は人によりますし、モーター寿命が長いドライヤーも近年増えていますので、あくまで目安と考えましょう。また、以下のような症状があったら使うのをやめてください

・焦げ臭いにおいがする
・本体やコードが異常に熱くなる
・異音がする
・電源が入りにくい、温風が出ない

特にプラスチックが焦げるようなにおいや、本体・コードの過熱には要注意。放置していると発火につながる恐れがあるため、すぐに使用を中止してください。そのあとは、取扱説明書を確認して対策するか、修理を依頼しましょう。

ちなみに各メーカーは、家電製品が故障した際の修理に必要な部品を保有する期間を定めています。例えば、パナソニックやシャープのドライヤーの場合、製造打ち切り後5年としています。そのため、年数がたったドライヤーは修理できない可能性もあるので注意しましょう。

▼参考記事
ドライヤーの寿命はどれくらいですか? 買い替えの目安を知りたいです【家電のプロが回答】

扇風機の寿命:10~12年

電気用品安全法において、2009年4月以降に製造された扇風機や換気扇などには、製品本体と取扱説明書に「製造年」と「設計上の標準使用期間」、注意喚起文の表示が義務付けられています。

この期間はメーカーがそれぞれに設定したものであり、その期間内にトラブルが生じた場合に保証が受けられる、というものではありません。ただ、「1日あたりの使用時間」や「1日の使用回数」などの想定内での標準使用期間を示したもののため、「寿命」という視点では一定の信頼がおけるといえます。

各社の標準使用期間を2024年発売のリビング扇風機で比較してみたところ、東芝ライフスタイルの「TF-30DL27」は「10年」、シャープの「PJ-S3DS」も「10年」、パナソニックの「F-C337B」は「12年」でした。

この期間を過ぎるとただちに危険というわけではないのですが、
・スイッチを入れても羽根が回らない
・羽根が回っても、異常に回転が遅かったり不規則だったりする
・羽根の回転中に異常な音や振動がある
・モーター部が異常に熱かったり、焦げ臭いにおいがする
・電源コードが折れ曲がったり、破損したりしている
・電源コードに触れると、羽根が回ったり、回らなかったりと不安定
上記のような症状がみられる場合には、窓口での相談や買い替えを検討してみてください。

▼参考記事
扇風機は何年で買いかえるのがベスト? 寿命の目安はどれくらい?【家電のプロが解説】

電気ケトルの寿命:5年

家電製品が故障した時、修理するため部品を家電メーカーが保有しなければならない期間である「家庭電気製品製造業における表示に関する公正競争規約及び施行規則」第12条の「補修用性能部品の保有期間」では、「電気ポット」が5年と定められています。一方で、「電気ケトル」の記載はありません。

電気ケトルはヒーターで水を温め、沸騰したらスイッチを切るという、シンプルな機能のため、電気ポットよりも故障するリスクが比較的少なくなっています。そのため、10~20年使える場合も少なくありません。

しかし、持ち運ぶ機会が多いという点では破損のリスクが高いため、電気ポットと同様に5年程度が買い替えの目安と考えるといいでしょう。

▼参考記事
電気ケトルは何年で買い替えるべき? “寿命のサイン”はある?【家電のプロが解説】

ノートパソコンの寿命:3~5年

パソコンは年々機能が向上しています。具体的には以下のような点が挙げられます。

CPUの性能向上

CPUの性能は年間10%程度向上しており、この割合だと5年での性能向上は1.6倍くらいになります。実際にはコア数、消費電力など、さまざまな機能が向上しているので、この数値以上に機能が向上しているといえるでしょう。

システム全体の性能向上

ここ数年のテレビ会議の普及で、一気に機能が向上したWebカメラの画質は一気に向上。マイクのノイズキャンセル機能なども5年前とは比較にならないレベルになっています。

USB Type-Cを用いた電源供給の対応

USB PD(USB Power Delivery)によるUSB Type-Cを用いた電源供給の対応も大きな違いの1つです。れにより、汎用充電器が利用できる機種が増えました。

最新のWi-Fiへの対応

2019年はWi-Fi 6が登場した年でしたが、2024年現在は対応周波数が増えたWi-Fi 6Eが普及しており、Wi-Fi 7対応機器も登場する予定です。

AIへの対応

AI専用のNPU(Neural Computing Unit)機能のパソコンへの搭載も進化のポイント。インテルのCore Ultra、AMDのRyzen 8040シリーズ、QualcommのSnapdragon X Elite、Apple Silicon MシリーズにNPUが搭載され、2024年に対応機種が多数リリースされます。

このように、パソコンはCPUなどの基本的な性能向上に加えて、関連機能も向上しており、さらには定期的に新しい使用法への対応もあります。そのため、3年から5年周期で新機種に買い替えるのが経済的な負担も少ないと思います。

▼参考記事
パソコンは何年くらいで買い替えるべきですか? 【パソコンのプロが回答】
 
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