「冷蔵庫」は何年で買い替えるべき? 運転音で“寿命のサイン”が分かる!?【家電のプロが解説】

冷蔵庫は生活する上で必須の家電であるものの、なかなか購入に踏み切れない人も多いのではないでしょうか。冷蔵庫は何年で買い替えるべきなのか、寿命のサインやお得な買い替え時期について、「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が解説します。

冷蔵庫は何年で買い替えるべき?
冷蔵庫は何年で買い替えるべき?
冷蔵庫は生活する上で必須の家電であるものの、買い替えるとなると金額も大きくなかなか購入に踏み切れない人も多いのではないでしょうか。しかし、まだ使えるからと長年使い続けると、急にガタがくることも。

冷蔵庫のベストな買い替えタイミングを「All About」白物・美容家電ガイドの田中真紀子が解説します。
 

(今回の質問)
冷蔵庫は何年くらいで買い換えるのがベスト?

 

(回答)
10年たったら買い替えを検討しましょう。


以下で詳しく解説していきましょう!
 

冷蔵庫の平均使用年数は12.9年、修理部品も9年たつと製造が打ち切りに

そもそも家電が故障するタイミングは、使い方や使用状況によって異なるため、一概に「○年で買い換えるべき」というものではありません。ただし10年たったら寿命が近づいていると考え、買い替えの準備を始めましょう。

内閣府が発表している2022年3月「消費動向調査」によると、冷蔵庫の平均使用年数は12.9年。もちろんあくまで平均ですので、15年近く使い続けている人もいれば、8年程度で壊れてしまった人もいます。

いずれにしても10年を超えたら、平均使用年数が近づいていますので、いつ壊れてもおかしくないと覚悟した方が良いでしょう。
出典:2022年3月「消費者動向調査」
家電の買い替え状況(出典:2022年3月「消費動向調査」
 
また多くのメーカーでは、冷蔵庫の修理用部品の保有期間を製造後9年で打ち切りにしています。もしメーカーが1年ごとに新製品を出していたら、前年モデルは1年後には製造打ち切りになる可能性があるため、理論上は最新モデルで購入しても10年後には修理部品がないということになります。そういう意味でも、10年たっていたら買い替えを検討した方が良いでしょう。
 

運転音の大きさや水漏れから“冷蔵庫の寿命”をチェック

では寿命が近い冷蔵庫にはどのようなサインが見られるのか、チェックポイントを紹介します。

■運転音がいつもより大きい
扉の開閉などで庫内の温度が上がったり、周囲の温度が高くなったりすると、庫内を冷やすためにコンプレッサーが高速運転するため、「ブーン」という駆動音がします。

通常は、一定時間が経過すると温度が安定するため稼働音も小さくなりますが、頻繁に音が大きくなったり、長く続いたりする場合、不具合が起きている可能性がありますので早めに対処しましょう。

■冷蔵庫が冷えにくい、温度ムラがある
いつもより庫内の冷えが悪い場合、まずは庫内に食材を詰め込みすぎていないか、確認しましょう。詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなるため、庫内が冷えにくくなったり温度ムラが起こったりすることがあります。

ただし冷凍食品が柔らかくなっているようなら、冷媒回路に不具合が起きている可能性大。修理が高額になる場合もあるので、使用年数次第では買い替えを検討しましょう。

■水漏れが発生している
冷蔵庫から水漏れが発生する要因として考えられるのは、電源が一時的に切れたことで冷却器についた霜が溶けたことや、冷凍庫や製氷室内の氷が溶けたというもの。まずは電源をチェックしてみてください。

電源に問題がない場合は、霜取り機能や冷媒回路が故障している可能性がありますので、修理か買い替えを検討しましょう。なおドアパッキンの劣化も水漏れにつながりますが、その場合はパッキンを交換するだけでOKです。
 

モデルチェンジ前の買い替えがお得!

冷蔵庫に限らず、家電全体で言えることですが

・家電量販店の決算期(9月、3月頃)
・ボーナス時期(6月、12月頃)
・モデルチェンジ時期

は家電が値下げされやすく、お得に買える時期とされています。特に冷蔵庫の場合、2〜4月、9~11月に新製品が多く発売されるため、その前に型落ちが値下げされる傾向にあります。

ただし近年は、パナソニック、日立が販売店主導による高額家電の値下げをしない「指定価格制度」の導入を発表しています。現状、パナソニックの冷蔵庫も上位モデルや付加価値モデルが対象となっており、今後は日立も高額モデルの値下げをしない可能性があります。

家電の中でも冷蔵庫はないと困る重要な存在なので、突然壊れると慌てて購入することになります。もし事前に下調べをしていなかったら、何を買えばいいか分からず、買って後悔することになったり、1番高い時期に買わざるを得なくなってしまったりすることもあります。そういう意味でも計画的な買い替えをおすすめします。
 
この記事の筆者:田中 真紀子
白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やWeb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。
 
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