「最後の酒と言われないように」能登半島地震で被災した松波酒造、生き残った“レスキュー酒”をEC販売へ

1月1日に能登半島地震で被災した松波酒造が、生き残った3500本の酒をレスキューし、期間限定で販売することになりました。(サムネイル画像出典::「包丁料理人おいり oiri_kitchen」)

包丁コンシェルジュでYouTuberのおいりさんが4月10日、自身のYouTubeチャンネル「包丁料理人おいり oiri_kitchen」で動画を更新。1月1日に令和6年能登半島地震で被災した酒蔵「松波酒造」の女将(おかみ)・金七聖子さんを訪ねました。
 

【実際の動画:能登半島地震で被災した酒蔵、レスキュー酒を期間限定で販売】

「助けに来てください! 私の町が大変なことに……」

動画冒頭、おいりさんは「まず、こちらの映像をご覧ください」と話し、地震発生直後に金七さんが撮影した動画を公開しました。金七さんは倒壊した家屋や散乱した酒瓶などを撮影しながら、「悔しいけど残った酒、絶対、残ってるやつあるはず」「能登町松波エリアです。大変なことになってます! 助けに来てください! 私の町が大変なことになってます」と、SOSを発信。この動画はSNSで拡散され、話題を呼んでいました。
 

普段は包丁についてYouTubeやInstagramで情報発信をするおいりさんですが、今回は震災で生き残った「レスキュー酒」3500本の酒をボランティアたちと洗浄し、ラベル貼りをボランティアと共に販売できるようにする企画を開催。9~11日の3日間限定で同酒造の銘柄「大江山」などをECサイトで販売することも発表しています。
 

動画内で金七さんは、「能登町で松波酒造、全壊しました。けど、いろんなレスキューの人たちの力を借りてお酒を約3500本取り出しました」と話し、背景に写っているタンクにも命懸けで取ってきたという「お酒が入っている」と言います。とはいえ、すぐに製品化できる状況にもなく、被災地の能登町から150キロ離れた小松市内に場所を借り、今回の“レスキュー酒”を販売することに踏み切ったようです。

「ぜひ皆さんに飲んでほしい」

また、「最後の酒と言われないように出してるんですけれど、このレスキューしたおいしいお酒たちを、ぜひ皆さんに飲んでほしいなと思っています」と、視聴者へメッセージも送りました。

なお、金七さんは編集部の取材に対し、「地下がぐちゃぐちゃで水道が通るまでいつになるか。通ったところで再建できるかどうか。。あと10年…早まっても6年以上はかかる。今からはブランドをつなげるために、違う酒造でお酒を作るために協力し合っている」と、コメントしています。

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“レスキュー酒”の作業中の様子なども見る
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