横浜市営地下鉄ブルーラインでは比較的マイナーな駅の阪東橋駅。「阪東橋」という橋は存在するのか、どんな街並みが広がっているのか、その疑問を探るべく、駅周辺を歩いてみました(画像は全て筆者撮影)。
現在は「阪東橋」という橋は存在しない
横浜市営地下鉄ブルーラインの駅名になっている「阪東橋」ですが、現在は橋としての「阪東橋」を見ることはできません。
横浜市道路局橋梁(きょうりょう)課の資料によると、大通り公園のある場所には以前、吉田川と新吉田川が流れていました。1923年に発生した関東大震災により吉田川・新吉田川に架かる橋梁(きょうりょう)は被災。復興事業で架替えが行われ、1926年に「阪東橋」という橋が新設されました。
その後、1965年に横浜市六大事業が策定され、吉田川・新吉田川の地下部分には横浜市営地下鉄、地上部分には大通り公園の整備が進められます。これに伴い、1973年までに吉田川・新吉田川は埋め立てられることになり、阪東橋も撤去されました。
現在の駅がある場所に阪東橋があったことから、駅名となったそうです。
昭和の雰囲気が残る、横浜橋通商店街
阪東橋駅1A出口から東へ200メートルほど進むと、横浜橋通商店街の入り口が見えてきます。
横浜橋通商店街は「いきな下町」をキャッチフレーズにした庶民的な商店街。全長350メートルに及ぶアーケード通りを中心に、生鮮食料品や総菜、日用雑貨を扱う約130の店舗が軒を連ねています。戦前から続く商店街で、今も昭和の雰囲気が残っています。
横浜橋も阪東橋同様、かつて新吉田川に架かっていた橋の名前で、現在は見ることができません。
アーケード通りの真ん中付近の路地には金刀比羅大鷲(おおとり)神社があります。11月の「酉の市」では、縁起物の熊手を買い求める人と露店が通りを埋めつくします。
近隣には、三吉橋通り商店街と医大通りもあり、それぞれ老舗が軒を連ねています。