脳腫瘍を発症した10歳のゴールデンレトリバー、最後の10日間「生きるとは」「治療とは」

10歳のゴールデンレトリバーの男の子、そらくんの日常を紹介するYouTubeチャンネル「ゴールデンレトリバー 月海そら」が、ファンに大切な報告をしました。(サムネイル画像出典:「ゴールデンレトリバー 月海そら」)

YouTubeチャンネル「ゴールデンレトリバー 月海そら」が、チャンネルの主人公である10歳のゴールデンレトリバー・そらくんとの別れを動画で報告しました。
 

【実際の動画:脳腫瘍と闘ったゴールデンレトリバー、天国へ】

原因不明、寝たきりになったそらくん

穏やかな表情と優しいまなざしを飼い主に向けるゴールデンレトリバーのそらくん。パパが話しかけると大きな尻尾を左右に振って答えます。家族でのお出かけや、パパと一緒に視聴者からもらったプレゼントの開封など、心温まる動画が一変したのは2023年12月21日に公開された『突然倒れて動けない!まさかの出来事に死を覚悟する』という動画でした。
 

家族で川崎大師を参拝中、突然、前肢から地面に倒れ込みました。その後、自立歩行で元気になったと思ったそらくんでしたが、後日、歩行困難となり原因不明のまま寝たきりになってしまいます。パパはママ1人でも40キロのそらくんを車に乗せて、病院に連れて行けるように、DIYを施した動画も公開。家の中もそらくんの介護をする上で、持ち上げる人の負荷を減らす工夫も見られます。

体のまひは、脳腫瘍だった

2024年2月10日、動けなくなった理由は脳腫瘍が起因していると明かした同チャンネル。20日、『【亡くなる9日前】脳腫瘍の君と家族の24時間』と題した動画を公開し、そらくんが亡くなったことを知った視聴者たちは、「悲しすぎです」「嘘だと言ってほしい」とショックを受けました。
 

この日から1日1本、そらくんの動画を上げ続け、28日の動画では腫瘍と必死に闘うそらくんの姿を収めた動画を公開。目は大きく見開いて充血し、苦しさから舌を出し、痛みに耐えながら悲鳴を上げる姿も。そんなそらくんの側にパパは寄り添い、「つらいね」「苦しいね」と声をかけながら顔をなでます。そして「明日は病院の日」と、今後緩和ケアに切り替えることも明かしました。
 

息をするのもつらそうなそらくんを見つめながら、画面には「パパは一体どうすればいいのか」「何も出来いない自分の不甲斐なさと」「この現実を考え込んでいました」と表示されています。「生きるとは何か」「治療とは何か」「人間のエゴへの押し付け」「生きるのと生かすのは違う」と続くテロップ。この言葉は筆者自身にも刺さるものがありました。筆者の愛犬も40キロを超える大型犬で、9歳を迎えるまでに10回近い手術・リハビリに加え、現在も慢性腎臓病と関節疾患で闘病中だからです。

愛犬の病状を良くするための治療のはずが、いつからか「もっと一緒にいたい」「1日でも長くそばにいてほしい」という人間側の理由に変わる瞬間があります。その思いと、愛犬の痛みを楽にするために諦めねばならない気持ちのはざまで、多くの飼い主たちは葛藤します。動画の中でそらくんを見つめながら、背中を丸めて座るパパの姿。そして10日目のそらくんが亡くなった直後に撮影したであろう動画でむせび泣く家族の姿は、これから先の自分の姿と重なるところもあり、正直、涙が止まりませんでした。

大型犬と暮らすということ

大型犬と一緒に暮らすということは、本当に毎日が幸せで、あっという間に気が付いたら年月が過ぎ去ります。素晴らしい日々であると同時に、大型犬はとても体が弱く、腫瘍や関節疾患、短時間で命の危機となる胃捻転や胃拡張などを高確率で発症するので、目が離せません。
 

そして医療費も小型犬や中型犬に比べると、より費用がかさみます。金銭面だけではなく、シニアを迎えると介護が待っています。歩けない愛犬を抱えてぎっくり腰になったり、近所の人の手を借りることも。大型犬は、飼ったことがない人が想定する以上に、手もお金もかかります。
 

これから大型犬を飼いたいと思う人は、ぜひこのチャンネルを1度、視聴してみてください。ここには、大型犬との暮らしの“リアル”が詰まっています。そして、シニア期を迎えた大型犬オーナーたちにとっても、介護方法のヒントが詰まった勉強になるチャンネルといえるのではないでしょうか。最後に、そらくんの冥福を心より祈っています。
 

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