世界を知れば日本が見える 第41回

アメリカの「#MeToo」運動が抱える「負の側面」とは? 発足から7年の現状、浮き彫りになる日本の遅れ

2017年にアメリカで発足した「#MeToo」運動。現在のアメリカにおいて、どのように受容され、社会変革をもたらしているのだろうか。また、「#MeToo」運動が抱える負の側面についても考察する。(サムネイル画像出典:Sundry Photography / Shutterstock.com)

出典元: Sundry Photography / Shutterstock.com
画像出典:Sundry Photography / Shutterstock.com
日本では以前ほど耳にしなくなった「#MeToo」運動。もともと2006年にアメリカの女性活動家がオンライン上で使ったことで生まれた#MeTooという言葉だが、2017年に大物映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン氏によるセクハラ事件によって世界中に拡散された。

そもそも、#MeToo運動とは?

#MeToo運動とは、セクシャルハラスメントや性的暴行などの性犯罪に対して立ち上がり、そうした体験を告白して「Me Too(私も被害者だ)」と、拡散させる運動である。さらに性犯罪に対する意識の変化を促す啓蒙活動でもある。
 
当時、日本でも広く報じられたためにご記憶の人も多いだろうが、あれから5年以上が過ぎ、運動自体は落ち着いたかのように見える。とはいえ、アメリカだけでなく日本でも性犯罪の告発などは今もメディアなどで耳にする。
 
そこで3月8日の国際女性デーを前に、アメリカを中心に#MeToo運動の現在地を掘り下げてみたいと思う。#MeToo運動で世界をリードしてきたアメリカは今、どんな状況にあるのだろうか。

アメリカで#MeToo運動はどのように発足したのか

まずアメリカでの#MeToo運動を少し振り返ると、転機となったのは、言うまでもなくワインスタインのケースだった。その余波は、ハリウッドだけでなく、音楽業界や学術界、民間企業、政界などにも広がった。
 
元俳優で歌手のアリッサ・ミラノ、シンガーソングライターのシェリル・クロウらが、#MeTooの顔になり、レディー・ガガらもその運動に賛同して話題になった。音楽業界では、著名なレコード会社幹部や有名プロデューサーといった男性らが性的暴行の疑いで糾弾される事態になり、連日のように報じられた。
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現在のアメリカ社会における「#Metoo」
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