松本人志に代わる芸人は現れるのか?
現在、さまざまなマスコミで松本さんの抜けた穴はどうなっていくのか、さまざまな憶測が飛び交っています。“代役”として名前が挙がるのは、サンドウィッチマンや麒麟・川島明さん、有吉弘行さんら好感度の高い人気芸人ばかり。さらに、ウッチャンナンチャンの内村光良さん、吉本興業からは今田耕司さん、東野幸治さん、千原ジュニアさん、陣内智則さんらも予想されています。とはいえ、サンドウィッチマン、川島さん、有吉さんについては、現実的にスケジュールが取れないという問題にぶつかるでしょう。それぞれがレギュラー番組を多く抱え、松本さんの代わりに番組へ出演するのはほぼ不可能です。
また、内村さんや今田さん、東野さんらはキャラクター的に代わりが難しい。松本さんが唯一無二の存在だったことを考えれば、抜けた穴に収まる芸人は皆無だと言えるでしょう。そうなれば、今後は番組の大幅なリニューアルや打ち切りが起きていくことが予測されます。
今後に注目すべきは「かまいたち」「ダイアン」そして……
さて、テレビ業界の「松本ショック」は、いつ起きるのでしょうか?このままいけば、秋の改編である2024年10月に向けて大きな動きがあると考えます。松本さんは吉本興業を通じて1月8日に芸能活動の休止を表明。そこから、各テレビ局は出演者の調整だけでなくスポンサーへの説明なども行っています。系列局もCM広告などで調整が必要なので、4月に迎える春の改編には各局が間に合わないでしょう。
一般的にも知られるようになっていますが、テレビ局では4月と10月に大きな改編を設定しています。過去の経験則から言えば、現状では松本さんの代わりになる代打を見つけつつ簡単な企画変更などで凌ぎ、10月に向けて大幅な調整をしていくことが予測されます。
その中で、存在感を見せるのは「かまいたち」「ダイアン」だと考えます。人気が高い千鳥と言いたいところですが、地方局のレギュラーや個人で出演している番組を考えれば、現実的ではないでしょう。
この2組に関しては、これまで大きな女性スキャンダルもなく、また2023年の『FNS27時間テレビ』(フジテレビ系)で大きな存在感を見せたことで、テレビ業界でも再注目されています。吉本興業も、松本さん不在の中で芸人の売り込みをかけてくるでしょう。その中で、松本さんとの関係性もさほど濃くなく、プッシュできるコンビがかまいたちやダイアンなのではないでしょうか?
かまいたちに関しては、すでに千鳥並みの忙しさでレギュラーも多いですが、『かまいたちの机上の空論城』(関西テレビ)、『かまいたちの知らんけど』(毎日放送)、『かまいたちの笑賭け』(ABEMA)など地方局やネット番組を中心に唯一無二な笑いに挑んでいます。現在ブレークしている中でも、まだ全国放送で新たな笑いを作り出せる余力があり、挑戦するなら今しかないタイミングでしょう。
ダイアンも同じで、今こそ売り出し時。ロケの帝王であるところを見せる『本日はダイアンなり!』(朝日放送テレビ)もTVerなどで人気が高まり、現状を打破するタイミングにあります。特に、いじられキャラのイメージが強い津田篤宏さんは司会としても活躍する可能性があり、実力を発揮できればユースケさんとのコンビで新感覚な番組を作れることでしょう。
さらに、筆者が注目しているのは、ナインティナインの存在です。吉本興業ばかりだと突っ込まれるかもしれませんが、やはり「吉本芸人」が底力を持っているのも事実。
もはや説明不要なほど国民的な人気を獲得していますが、コンビでのレギュラーは、『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)と『週刊ナイナイミュージック』(フジテレビ系)だけ。これまで、ダウンタウンとは違った角度で、笑いの歴史を作ってきた2人が、新たな番組に挑戦できれば空気感もガラリと変わるのではないでしょうか?
2024年には、新たなお笑いが生まれる可能性がある
現在のお笑いを作った松本さんが不在になることで、テレビにおけるお笑い界は転機を迎え、大きく舵を切ったほうが良いのは明白です。休業理由が裁判に注力するからということで、時期は明言していないですが、すぐに松本さんが帰ってくるということは考えにくい状況になっています。正直、ここで松本さんの報道に関してなにかコメントすることはありません。とはいえ、笑いが多くの視聴者の救いとなり、人生を変えてきたのは紛れもない事実です。
また、松本さんがさまざまな笑いの形を作り、盛り上げ続けたのも変えられない歴史。だからこそ、松本さんが不在の中で、他の芸人たちがすべきは新しい笑いを作りだすことです。2024年に大きなうねりが起きている中で、どの芸人が突出してくるのか注目したいと思います。
この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。