2つの温泉駅を経て、福井へ

温泉と名が付く新幹線の駅は、北陸新幹線の黒部宇奈月温泉駅のみ(在来線を走る山形新幹線を含めれば、かみのやま温泉駅も)だったが、2022年9月に西九州新幹線が開業すると武雄温泉駅と嬉野温泉駅の2つが誕生し、今回の2つの温泉駅誕生で、ずいぶんにぎやかになった。新幹線を使って温泉旅行をするのもトレンドとなりそうだ。
芦原温泉駅と福井駅の間には、九頭竜川橋梁(きょうりょう)がある。新幹線の複線の線路の両側を県道が走り、一体構造となった大変珍しい橋だ。
どんな風景が眺められるのか、どのような写真が撮れるのか期待していたのだが、列車のスピードが速すぎて、あっという間に通過してシャッターチャンスを逃してしまった。現地の高いところから俯瞰するのでなければはっきりとは分からないようだ。

在来線とえちぜん鉄道に挟まれた狭いスペースしかなかったので、やむを得ずこのようなコンパクトな駅になったそうだ。
長大な新北陸トンネルを抜け、終点・敦賀へ

ちなみに、福井鉄道に越前武生駅があり、読み方が同じなので混乱するのではないかと懸念が生じ、福井鉄道の越前武生駅は、2023年2月に「たけふ新駅」に改称している。
越前たけふ駅から先は山岳地帯になる。そして今回の延伸開業区間では最長の新北陸トンネル(19760メートル)に突入する。在来線の北陸トンネル(13870メートル)(在来線の陸上鉄道トンネルとしては日本最長)の1.5倍近い長さだが、5分ほどで通り抜ける。それでも、今回の区間には新北陸トンネル以外は長大トンネルがほとんどなかったせいで、ずいぶん長い間暗闇の中を走っているような気がした。