思春期の子どもにとって母親は「めんどくさい」
子どもが大きくなってくると、その子の悩みにうまく答えられないことも。そんな時、土屋さんの対処法は?「特に思春期に入ってくると、難しいですよね。うちの子も上2人は男ですが、男の子の思春期は、正直何を考えているか分からなくて、私が何か言ってもどんどん(心が)離れていく一方だな、なんてことも。そんな時、私は周りの人に頼ります。彼らを小さい時から見守ってくれている男性の友人に“声かけてあげて”と頼んだり、おばあちゃんに話を聞いてもらって、私は一歩引く、ということもありますね。
親としてはいつまでも子どものことを全て知りたいし、母親は私1人だから一生懸命やりたいけど、思春期の子どもからすれば、そんな母親は“めんどくさい”。そんなこともあるかと思って、子どもたちには小さい頃から、バンドの仲間と一緒にご飯を食べさせたりして、いろんな人に会わせていました。子どもの成長を見てくれる人を周りにいっぱい作るようにしていたので、困った時にはその人たちに意見をもらったり、実際に動いてもらったりしています」
試行錯誤もすれば、周りの人も巻き込みつつ進行中の、土屋さんの子育て。その根底には常に、“いい人生を送ってほしい”という、ひそかな親心があるようです。
「別に、完璧な人生じゃなくていいと思います。いろいろ苦労したり後悔したり、ぐちゃぐちゃの人生でもいい。でも、私自身、思春期の頃は毎晩“どうやって家を抜け出して遊びに行こうか”なんてことを考えていたのが(笑)、大人になって親になるうちに落ち着きました。いろいろあっても、最終的に“面白い人生だった”と思えれば、それでいいんじゃないかな。
少なくとも、私はずっと味方だから。私の母が私にとってそうであるように、いつかあの子たちが振り返った時“彼女はいつも寄り添ってくれていたな”と感じてくれるような存在でありたい、と思っています」