海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン 第24回

飛行機「ペット同伴」に厳しい日本と寛容な海外、何が違う? 元“欧州系”CAが感じる意識の差

年始に発生した日航機炎上事故以降、客室へのペット持ち込みの是非について議論が続いています。過去に欧州系エアラインに乗務していた筆者が感じる、ペット同伴についての日欧の意識差とは?

ヨーロッパでは「ペット同乗」は珍しくないが……

ウィーンの地下鉄
ウィーンの地下鉄券売機。ヨーロッパでは犬のチケット料金が明示されていることが多くあります。画面左が大人料金、右が子ども・犬料金です
今回の事故を受けて「欧州系エアラインではペット同伴が可能なのに、なぜ日本は同じことができないのか」という疑問がよくあがりますが、これには深い理由がありそうです。
 

日本は、大陸から稲作が伝わったことで狩猟は副次的なものとなり、その後の仏教伝来で罪の意識からの肉食忌避が浸透しました。また神道では動物を「穢れを持ち込む存在」とし、伊勢神宮でもペット連れの参拝が禁止されています。

それに対してヨーロッパは長らく狩猟生活が営まれており、犬は人間に獲物を運んでくる忠実なパートナーとして、長きにわたり信頼関係が構築され、それに伴いしつけも必要なものとして培われてきたのでしょう。その結びつきは現代でも連綿と受け継がれ、犬を飼い始めたらトレーニングのためにまず訓練所に預けるのはこちらではごく普通のことです。

筆者もヨーロッパ移住当初は、犬がシャネルやエルメスなどの高級ブティックに飼い主とともに入店したり、レストランやカフェといった飲食の場に同伴されていたり、公共交通機関の券売機に犬料金が記載されているのを見て驚愕(きょうがく)したものですが、ヨーロッパでは犬は社会の一部として自然に受け入れられているのです。


最初こそ衛生状態を懸念したものの、しつけが行き届いているため、犬が店内や交通機関内で粗相をしている場面にはいまだ遭遇したことがありません。

こうして犬とともに歩んできた歴史的背景があるヨーロッパの航空会社では、ペットの客室同伴も恐らく日常生活の延長線上として捉えられているのだと思います。
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他人に迷惑がかかることに厳しい国民性
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