OJTとは? OFFJTとの違いや意味、目的、メリット・デメリットを解説

「OJT」という言葉ですが、その実態や意義、OFFJTとの違いについては理解されていないことが多いです。OJTの基本的な意味から、その目的やメリット・デメリット、さらにはOFFJTとの違いについて詳しく解説します。

OJTの意味とは? 目的やメリット・デメリット、OFFJTとの違いを解説
OJTの意味とは? 目的やメリット・デメリット、OFFJTとの違いを解説

現代のビジネスシーンでは「OJT」という言葉をよく耳にします。しかし、その実態や意義、OFFJTとの違いについては、十分に理解されていないことが多いです。

この記事では、OJTの基本的な意味から、その目的やメリット・デメリット、さらにはOFFJTとの違いについて詳しく解説します。

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<目次>
OJT(On the Job Training)とは?
OJTの目的
OJTの「3つの原則」
OJTを効果的に運用するコツ
OJTが失敗しやすい原因
OJTのメリット
OJTのデメリット
OJTとOFFJTを効果的に研修に組み込むコツ
まとめ

OJT(On the Job Training)とは?

OJT(On the Job Training)は、職場の日常の業務中に行われる実践的な研修のことです。従業員が実際の業務に直接関わりながら、スキルや知識を身につける方法を指します。この手法は、従業員が仕事の流れを学びつつ、実際の作業環境で必要なスキルを習得するのに理想的です。

OJTは、新入社員の教育やキャリアアップのための研修、技能向上のためのプログラムなど、さまざまな形で企業内で実施されます。

・OJTの内容

OJTの内容は、職種や業務内容によって異なりますが、以下のステップが含まれるのが一般的です。まず、熟練した従業員や上司が新入社員や研修生などの受講者に対して、仕事の手順や技術を実際に見せたりなどして説明します。次に、受講者はその指導のもとで実際に業務を行い、実践を通じて学ぶことが可能です。このプロセスは、受講者が自立して業務を遂行できるまで繰り返されます。

・OJTとOFFJTの違い

OJTとOFFJT(Off the Job Training)の主な違いは、研修が行われる場所と環境にあります。OJTは職場内で実際の業務を通じて行うのに対し、OFFJTは職場外、例えば教室や研修施設などで行われる座学メインの研修です。

OFFJTでは、講習会やシミュレーションなどを通じて学びますが、OJTは実務経験を重視します。このため、OFFJTは理論的な知識の習得に適している一方で、OJTは実務スキルの習得や職場適応に重点を置いていると覚えておきましょう。

・OJTとOFFJTはどちらを選ぶべき?

OJTとOFFJTのどちらを選ぶべきかは、組織の目的や従業員のニーズに依存します。新しい技術や理論的な知識を速やかに習得する必要がある場合、OFFJTが適しているでしょう。一方で、実際の業務環境で迅速に適応し、即戦力となるスキルを身につけることが重要であれば、OJTの方が有効です。

また、最も効果的なアプローチは、OJTとOFFJTを組み合わせて用いることです。理論的な基礎をOFFJTで学び、その知識をOJTを通じて実践的なスキルに変換できます。

OJTの目的

「OJT(職場内研修)」は、実際の職場で行われる教育訓練の形態です。この方法では、受講者が日々の業務を通じてスキルを磨くと同時に、新たな知識や技術を身につけます。これは、理論や抽象的な概念よりも、実践的な経験を重視する方法です。

・目的(1)業務効率を向上させる

目的の1つ目は、業務効率の向上です。受講者が実際の業務を経験しながら学ぶことで、理論だけでは得られない具体的なスキルやノウハウを身につけることができます。これにより、受講者はより迅速かつ効率的に業務を遂行する能力を獲得し、組織全体の生産性の向上に貢献します。

・目的(2)感じた不安を解消しやすくする

目的の2つ目は、新しい環境や業務に対する不安や疑問の解消です。実際の業務に直接関わることで、受講者はその場で発生する問題や課題に直面し、解決する方法を学びます。また、先輩社員や上司からのフィードバックを通じて、即座に改善点を理解し、自信を持って業務に取り組むことが可能です。

・目的(3)職場に定着しやすくさせる

目的の3つ目は、受講者が職場に定着するためのサポートです。実際の業務を通じて得られる経験は、職場の文化や仕事の流れを理解するのに役立ち、受講者がチームの一員としてスムーズに溶け込むことを促進します。このプロセスは、受講者の職場への帰属意識を高め、長期的な職務へのコミットメントを促進するのに効果的です。

OJTの「3つの原則」

OJTは実務中の教育で、受講者が実務で迅速にスキルを習得できる方法です。ここでは、重要となる下記の3つの原則について詳しく見ていきましょう。

・原則(1)やってみせる(Show)

「やってみせる」とは、トレーナーや上司が実際に業務を行い、技術などを見せることを指します。このステップは、新しい技術や手順を学ぶ際に効果的です。実際の作業を見ることで、受講者は業務の流れや細かい技術、注意点を直感的に理解できます。また、見本を示すことで、受講者の不安を和らげ、自信を持って作業に取り組むことが可能です。

・原則(2)説明する(Tell)

「説明する」では、トレーナーが業務の目的や方法、重要なポイントを詳しく説明します。このステップは、業務の理解を深め、なぜその業務が必要なのか、どのように行うのかを明確にします。適切な説明は、受講者が業務に対する総合的な理解を得るのに役立ち、効果的な実践につながるので重要です。また、質問の時間を設けることで、受講者が疑問を解消し、理解を深めることにつながります。

・原則(3)やらせてみる(Do)

「やらせてみる」は、受講者が実際に業務を行うステップです。この段階では、受講者が学んだ知識や技術を実際の業務に適用し、習得度を確認します。実践を通じて、受講者は自分自身のペースで学び、必要に応じて調整が可能です。また、トレーナーはこのステップを監督し、必要に応じてフィードバックや追加の指導を行います。このステップは、受講者が自立して業務を遂行できるようになるために不可欠です。

OJTを効果的に運用するコツ

OJTは、実務の中で行われる研修であり、職場でのスキルや知識の伝達に重要な役割を果たします。これを効果的に運用するためには、いくつかの重要なコツがあります。

・計画的な研修を行う

計画的な研修の実施は、成功に不可欠な要素です。目標設定からスケジュールの管理、参加者の選定に至るまで、全てが事前に綿密に計画される必要があります。計画段階では、研修の目的と期待される成果を明確にし、これをもとに具体的なカリキュラムを作成します。また、研修の進行に伴って定期的に進捗(しんちょく)を確認し、必要に応じて計画を調整する柔軟性も重要です。

・反復的・段階的に練習してもらう

効果的な学習には繰り返しが鍵となるので、新しいスキルや知識を段階的に導入し、それを反復的に練習することが重要です。初期段階では基本的なタスクから始め、徐々に難易度を高めていくことで、受講者は自信を持って新しいスキルを身につけることができます。また、実践的な経験を積み重ねることで、学んだことをより深く理解し、実際の業務への適用がスムーズに進みます。

・マッチするメンターをつける

メンターの役割は、非常に重要です。適切なメンターは、受講者の能力を引き出し、必要なガイダンスを提供することで、学習過程を大いに促進します。メンターの選定には、教育的能力だけでなく、その人の人間性やコミュニケーションスキルも考慮する必要があります。また、メンターと受講者の相性も重要で、互いに信頼関係を築ける組み合わせを見つけることが成功の鍵です。

OJTが失敗しやすい原因

OJTは、職場での実践的な指導を通じて、受講者のスキルを向上させる重要な手段です。しかし、その運用にはいくつかの難しさがあり、失敗につながる原因も存在します。

・原因(1)人事や経営層の研修の意図が現場に伝わりづらい

人事や経営層が企画した研修の意図や目的が、実際にOJTを行う現場スタッフに正確に伝わらないことがあります。結果として、研修の目標や方針が不明確になり、効果的な指導が行われないことが多いです。このギャップを埋めるためには、上層部と現場の間でコミュニケーションを強化し、研修の目的と手法を明確に共有する必要があります。

・原因(2)十分な時間をかけて研修できていない

多くの職場では、日々の業務に追われ、OJTに十分な時間を割くことが難しいという現実があります。研修に必要な時間を確保せずに行われるOJTは、その効果が半減してしまい、結果的に受講者の成長が阻害される可能性が高いです。効果的な研修を実施するためには、計画的に時間を割り当て、継続的なサポートを行いましょう。

・原因(3)研修よりも業務効率を優先してしまう

実務の効率を最優先する職場の文化では、OJTが二の次になりがちです。このような環境では、研修が表面的にしか行われず、実際の学びの場が提供されないことがあります。OJTは、日々の業務の一部として組み込まれ、適切な時間と精神的な余裕を確保するべきです。

・原因(4)チーム内で指導方法にバラツキがある

チーム内での指導方法に一貫性がないと、OJTの質に大きな差が生じます。これは、受講者にとって混乱を招き、学習の機会が不平等になる原因です。指導者間での研修方法の統一や、定期的なフィードバックと評価の機会を設けることが重要です。

・原因(5)現場で放置状態になっている

受講者が現場で放置され、適切な指導やサポートが受けられない状況も、OJTの失敗を招きます。研修の効果を最大化するためには、メンターや上司が継続的に関与し、定期的なフィードバックを提供する体制が必要です。

OJTのメリット

OJTは、実務の中での教育・訓練を指し、ビジネスの現場で非常に重要な役割を果たします。ここでは、OJTの主なメリットについて具体的に見ていきましょう。

・メリット(1)実践的な研修なのでイメージが湧きやすい

OJTの最大のメリットは、理論だけでなく実際の仕事を通して学べる点にあります。受講者は、抽象的な教材を扱うのではなく、実際の業務環境で直面する問題に取り組みます。これにより、未経験の受講者でも仕事の流れや必要なスキルを直感的に理解しやすいです。実際の業務に合った指導は、イメージを具体的にして理解を深めるのに役立ちます。

・メリット(2)独り立ちまでの時間が短くなりやすい

OJTは、新しい知識やスキルを実践的な形で迅速に習得するのに適している方法です。これには、受講者が自立して業務を遂行できるようになるまでの時間を短縮する効果があります。実際の業務に関わりながら学ぶことで、理論と実践のギャップを埋め、より迅速に業務に適応できます。

・メリット(3)現場に合わせた研修にカスタマイズできる

OJTは、その部署やチームの具体的なニーズに合わせてカスタマイズすることが可能です。これにより、組織の特定の要件や目標に合わせた研修が実現し、効果的な学習ができます。また、現場の変化に応じて研修内容を柔軟に調整できるため、常に最新の業務知識やスキルを習得することが可能です。

・メリット(4)トレーナーのスキルアップにもつながる

OJTでは、経験豊富な従業員が受講者を指導することが多いです。この過程で、トレーナー自身のスキルも磨かれます。他者に教えることで自分自身の理解が深まり、リーダーシップやコミュニケーション能力の向上にも貢献します。

・メリット(5)チーム間のコミュニケーションが強化される

チーム内のコミュニケーションを強化する点もメリットです。共同で問題を解決したり、知識を共有したりすることで、チームメンバー間の信頼関係が構築されます。これにより、チーム全体の協力体制が強化され、業務の効率化や生産性の向上に貢献します。

OJTのデメリット

OJTは、実際の職場での実務を通じて行われる研修のことを指す用語です。この研修方法は数多くのメリットを有していますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。ここでは、OJTの主なデメリットを詳しく見ていきましょう。

・デメリット(1)現場の負担が増える

OJTでは、実務を通じての研修が行われるため、トレーナーや現場のスタッフにとって負担が増えます。日々の業務に加えて、受講者の教育を行う必要があり、これが業務の効率を低下させる可能性があります。また、トレーナーが研修に十分な時間を割けない場合、研修の質が低下するリスクも高いです。

・デメリット(2)研修の質が上司の熱量によって左右される

OJTの効果は、大きくトレーナーのスキルや熱意に依存します。上司や先輩が研修に熱心でない場合、研修の質は自然と低下してしまうでしょう。研修の成功は、トレーナーの指導力やモチベーションに大きく左右されるため、一貫性のある高品質な研修を提供することが難しいです。

・デメリット(3)同期との間で研修の格差が生まれる

OJTは個別指導が中心であるため、トレーナーや研修環境によって、同じ会社内であっても受講者間で研修の質に格差が生じることがあります。この格差は、職員間の不公平感を生じさせることがあり、組織内でのモチベーションやチームワークに悪影響を及ぼす可能性が高いです。

・デメリット(4)トレーナーの能力や意欲に依存する

OJTはトレーナーの能力や意欲に大きく依存します。経験豊富で指導スキルが高いトレーナーがいれば、研修は効果的に進みますが、逆に経験不足や指導力が低いトレーナーでは、研修の効果が薄れてしまいます。また、研修を受ける受講者に誤った情報や技術を伝えてしまうリスクもあるので注意が必要です。

・デメリット(5)研修に対する組織全体のコミットメントが必要

OJTは組織全体のコミットメントが必要です。トレーニングの成功には、経営層から現場のスタッフまで、全員が研修の重要性を理解して支持する必要があります。この組織全体のサポートが不十分だと、研修は効果を発揮しにくくなります。人材育成に対する経営層の理解と支援は、OJTの成功には不可欠です。

OJTとOFFJTを効果的に研修に組み込むコツ

OJTとOFFJTは、どちらも研修において重要な役割を果たします。効果的な研修を実現するためには、これら2つのアプローチをうまく組み合わせることが不可欠です。

・研修計画をしっかり立てる

効果的なOJTとOFFJTを実施するための最初のステップは、綿密な研修計画を立てることです。これには、具体的な目標設定や期間の定義、必要なリソースの特定が含まれます。研修計画をしっかり立てることで、目標達成に向けた道のりが明確になり、適切な方法で研修を進めることが可能です。

・現場だけに任せず社内全体で協力する

OJTは現場での実践的な学習を意味しますが、その成功は現場だけでなく、組織全体のサポートに依存しています。効果的なOJTを行うには、人事部や経営層など、他の部署からの理解と協力が必要です。また、OFFJTにおいても、社内外の専門家やトレーナーを積極的に活用することが、研修の質を高める1つの方法です。

・目標を明確化する

研修の目標は、明確で具体的である必要があります。これは、研修の焦点を定め、受講者が何を学ぶべきか、何を達成すべきかを理解するのに役立ちます。また、明確な目標設定は、研修の進捗(しんちょく)を評価し、必要に応じて調整を行う基準となるので重要な要素です。

・1人1人に適切な人選を行う

OJTでは、適切なメンターと受講者のマッチングが非常に重要です。メンターは受講者のスキルレベルや学習スタイル、キャリア目標を理解し、それに合わせた指導を行う必要があります。一方、OFFJTでは、各個人のニーズに合わせた研修プログラムを提供することが重要です。

・OJTとOFFJTの違いを理解し、片方に寄りすぎない

OJTとOFFJTは互いに補完関係にあります。OJTは実践的な学習とスキルの習得に焦点を当て、OFFJTは理論的な知識や幅広い視野を提供します。効果的な研修計画では、これら2つのバランスを取ることが重要です。あまりにも片方に偏ると、研修の効果は半減してしまいます。

まとめ

職場での実践的教育手法「OJT(On the Job Training)」は、従業員が実務に即したスキルや知識を身につけるのに理想的です。その効果を最大限に引き出すには、計画的な研修の実施、適切なメンターの選定、反復練習、組織全体の支援が不可欠です。OJTとOFFJTを組み合わせることで、理論と実践のバランスを取り、従業員の即戦力化と職場の生産性向上を実現できます。ビジネスマンの皆さんは、これらの研修方法を効果的に活用し、組織の成長を促進するヒントとしてお役立てください。
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