コメディーだけじゃない。シリアスな一面にも注目
そして、今回の『となりのナースエイド』でも、今後を期待させてくれる名演技を初回から披露しています。川栄さんが演じる桜庭澪(さくらば・みお)は、謎多き新米ナースエイド(看護助手)。医療資格がないものの、患者に身近な存在で入院生活などをサポートします。澪がナースエイドとして働く姿は、過去の名作ドラマ『ナースのお仕事』(フジテレビ系)を思わせるコメディータッチな部分もあり、分かりやすい病院内で起きるドタバタ騒動もみられます。しかし、シリアスな医療に関する場面もあり、硬軟そろえた作品となります。
謎解き要素のあるストーリーも魅力。今後の展開に期待大
それに、謎解き要素もふんだんに盛り込まれているのも魅力。澪はなぜか医者並みの病気への知識を持ち、そのおかげで患者の命を救うことにつながります。さらに回想シーンでは、澪が悲劇に襲われる場面も唐突に描かれ、なにか秘密を隠していることを暗示。第1話では、クライマックスで澪が「私は……人殺しです」と衝撃の告白をするなど、一筋縄ではいかない展開が楽しみなストーリーとなっています。
川栄さんが演じる澪は、コメディーもシリアスも担当することで、演技の切り替えが非常に重要です。とは言え、第1話を見ただけでも、川栄さんの演技はさすがの一言。明るい表情と、真剣な顔を使い分け、二面性をストレスなく表現しています。
SNSや一部メディアでは、医療行為の場面でツッコミどころ満載という意見も出ていますが、そんな声を吹き飛ばすような見応え抜群の俳優としての力を見せています。
ちなみに、川栄さんはドラマの制作発表会見で、撮影が始まる前に3話まで台本を覚えたと発言。セリフがしっかりと入っているからこそ、二面性を感じる澪をしっかりと表現できているのでしょう。
さまざまな考察ができるドラマの展開とともに、俳優としてさらに成長しそうな川栄さんの演技に注目して見るとより作品を楽しめそうです。
この記事の筆者:ゆるま 小林
長年にわたってテレビ局でバラエティ番組、情報番組などを制作。その後、フリーランスの編集・ライターに転身。芸能情報に精通し、週刊誌、ネットニュースでテレビや芸能人に関するコラムなどを執筆。編集プロダクション「ゆるま」を立ち上げる。