川栄李奈が持つ“唯一無二の武器”とは? 「元AKB48」の面影を感じさせない、俳優としての魅力を解説

日本テレビ系で放送しているドラマ『となりのナースエイド』で主演を務める川栄李奈さんの魅力を、元テレビ局スタッフが過去の作品も交えて解説。ドラマの見どころと合わせて紹介します。(サムネイル画像出典:『となりのナースエイド』公式Webサイトより)

『となりのナースエイド』
『となりのナースエイド』(画像出典:公式Webサイトより)
2024年1月期の冬ドラマも続々スタートしはじめ、お気に入りの作品を見つけている人も多いのではないでしょうか? そんな中で、今回おすすめするのが、1月10日に第1話が放送された『となりのナースエイド』(日本テレビ系)です。

原作は現役医師の作家・知念実希人さんの同名小説で、脚本は放送作家として有名なオークラさんが担当。主演は川栄李奈さんが務め、共演者に高杉真宙さんや古田新太さんらがラインアップされています。

このドラマの見どころは、ストーリーも面白いのですが、何といっても主演の川栄さんの演技。今回は、川栄さんの俳優としての魅力と、ドラマの見どころを合わせて紹介します。

AKB48卒業後、すぐに見せた俳優としての素質

1995年2月生まれの川栄さんは、2010年に「AKB48」の第11期研究生オーディションに合格し芸能界デビュー。グループ在籍時はバラエティ番組で「おバカキャラ」としてブレークし、一躍人気メンバーとなります。その後、2015年8月に、AKB48劇場で開催した卒業公演でグループを卒業。ここから、俳優としての快進撃がはじまります。
  まず、ファンを驚かせたのは、2015年9月に出演した舞台『AZUMI 幕末編』での演技でした。人気コミックスが原作の舞台で、川栄さんは舞台初主演として主人公・あずみを担当。

当時、筆者も取材会に参加したのですが、それまでおバカキャラとして売り出していた川栄さんだけに、演技には正直期待していませんでした。しかし、取材会ではいきなり切れ味鋭い殺陣を披露。しかも、あずみが背負う悲しい宿命を繊細に表現し、俳優としての素質を見せつけました。

舞台は大好評で、2016年には『あずみ 戦国編』として続編を上演。この舞台について、演出を担当した岡村俊一さんはインタビューで、川栄さんに対し「もう教えることがありませんでした」と絶賛のコメントを発表しました。演劇界でも、高い注目を集めることになります。

持ち前の“透明性”でどんな役にもなじむ俳優として活躍

そんな川栄さんは、勢いのままに2016年に放送した、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で仕出屋の娘・森田富江役を担当。富江は、小学校卒業後に家業を手伝う純真で真っすぐな娘です。登場した直後はクールな性格でしたが、徐々に主人公たちと仲良くなっていく描写を、繊細な表情や行動で見せて高評価を受けます。

その後も、ドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)、『家政夫のミタゾノ 第3シリーズ』(テレビ朝日系)、NHK大河ドラマ『青天を衝け』や、映画『地獄の花園』など多くの作品に出演し、名バイプレイヤーとしてさまざまなタイプの役を演じてきました。
  川栄さんの俳優としての魅力は、どんな役にもすぐなじみ、いつの間にか作品に溶け込んでいく透明性にあります。本人がインタビューで話していますが、個性があまりなくいい意味で地味なところが魅力。もちろん、トップアイドルとして活躍した過去を持つ美しさがあるものの、すんなりといろいろな役にビジュアルも含めてなじんでいくところが、唯一無二の武器だと考えます。

また、アイドル時代に取得したといわれる空気を読む力や察する力を持ち、しっかりと自分で考えて、役を作り込める俳優としての鋭い勘を持っています。

そんな才能がさく裂したのが、大きな話題を集めたNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の主人公の1人、大月ひなた役です。3世代にわたるヒロインの物語が紡がれた実験的な作品で、上白石萌音さん、深津絵里さんと共に川栄さんが主演を担当。
  ひなたは三日坊主で何事も長続きしませんが、明るい性格で周りから愛される存在として描かれます。夢を追いかけながら輝くひなたを、川栄さんは等身大の演技で表現。ひなたが人間として成長していく姿は『カムカムエヴリバディ』の見せ場でもあり、その大役を見事に演じきりました。
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『となりのナースエイド』ではどんな姿が見れる?
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