手もみ作業で生み出されるプリプリ麺と煮干の香りが漂うスープ! 「春木屋」三羽ガラスがラー博に復活

新横浜ラーメン博物館「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第27弾は、「春木屋 郡山分店」が出店。先代の味と思いを受け継ぐ「三羽ガラス」がラー博で復活します。

新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は2024年に迎える30周年に向けて、2022年7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけてリレー形式でラー博に出店します。

2024年1月11日~31日の「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第27弾は「春木屋 郡山分店」が出店。先代の味を守り続ける“三羽ガラス”がラー博に復活します(画像は全て提供)。

東京荻窪「春木屋」について

春木屋の中華そば
春木屋の中華そば

春木屋」は1949年に東京・荻窪で創業。創業者の今村五男さん(先代)は、1915年に長野県下伊那郡で生まれ、すでに荻窪で「中国レストラン春木家(2004年閉店)」を経営していた兄の今村国治さんを頼って戦前に上京。

店舗を構えた当時の外観
店舗を構えた当時の外観

終戦後、現在の本店の場所(杉並区天沼2-5-24)で屋台営業を開始。順調にお客さんがつき、1954年には土地を購入して店舗を構えました。ちなみに現在この場所にある「春木家本店」は、五男さんのご兄弟が運営されています。

常連さんをとりこにする「春木屋理論」とは?

創業者の今村五男さん
創業者の今村五男さん

春木屋のお客さんの中には、50年以上通い続けている常連さんをはじめ、親、子、孫と三代にわたってのファンが多いそうです。純粋に、先代夫婦の「おいしいラーメンを作って、お客さんの笑顔を見たい」という思いが原点となっていますが、それだけではありません。

先代いわく、「食糧事情が良くなるにつれ、お客さまの舌もおのずと肥えていくものです。同じ味を出し続けていれば〝味が落ちた〟といわれるのは当然。だからこそ、常日ごろから味の研究を重ね、時代の変化とともにベースとなる味は変えずに、お客さまに分からないように少しずつ味を変えてきました。これを続けることによって初めて〝いつも変わらずおいしいね〟と言われるのです」。

この考えを誰が名付けたか「春木屋理論」といい、多くのラーメン店が理念に掲げるようになったのです。

先代は現役を引退するまでの間、毎日欠かさず、朝食の前に1杯のラーメンを食べていたそうです。一切過食や夜更かしをせず口を清め、味の変化を見極めていたといいます。「自分が毎日食べて飽きるものを、お客さんに出せるわけない」──この真面目な職人気質は2代目の幸一さん、そして弟子たち(後述)へ継承されていきます。

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ラー博に出店するまで
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