2023年も各局で放送された連続ドラマの数々が、X(旧Twitter)等のSNSを大いに沸かせました。考察班が盛り上がりを見せたり、反省会タグがついたり、俳優陣の演技力や名ぜりふを称えるコメントがあふれたりと、話題の上り方はさまざま。
今回は、月~日曜のゴールデンタイムに放送されたオリジナル脚本ドラマから、2023年、特にSNSを沸かせた傑作3作品をピックアップして振り返ります。
1. 『VIVANT』
『VIVANT』(TBS系)は2023年夏ドラマ枠で、日曜21時に放送されました。『半沢直樹』シリーズや『下町ロケット』シリーズなど数多くの大ヒットドラマを送り出してきた福澤克雄氏が演出を務め、堺雅人さん、阿部寛さん、二階堂ふみさん、松坂桃李さん、役所広司さん、二宮和也さんら日本を代表する俳優陣の豪華共演も話題に。
堺さん演じる主人公の乃木憂助が、日本をテロから守る陰の組織“別班”メンバーだと明かされたエピソードでは、それまで姿を見せなかった松坂さんが乃木の相棒・黒須としてようやく登場しSNSを大いに沸かせました。
モンゴルの大自然を存分に楽しめる壮大なスケール感や、乃木と公安刑事・野崎(阿部寛)、国際的テロ組織のリーダーであるノゴーン・ベキ(役所広司)やノコル(二宮和也)との攻防もスリル満点で見応え抜群。2023年のベスト傑作ドラマと評して間違いないでしょう。
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2. 『最高の教師―1年後、私は生徒に■された―』
『最高の教師―1年後、私は生徒に■された―』(日本テレビ系)は2023年夏ドラマ枠で、土曜22時に放送されました。卒業式に担任生徒から背を押され渡り廊下から転落した教師の九条里奈(松岡茉優)は、なぜか1年前の始業式へタイムリープ。1年後、生徒に殺される未来を何とか変えようと、本気で生徒と向き合うことに。
淡々とした口調ながらも「何でもする」と固く誓い真摯(しんし)に生徒と向き合う九条のひたむきさが伝わる、松岡茉優さんの演技力に脱帽。また、九条と同様にタイムリープし、自死する己の未来を変えようと必死で立ち向かう生徒・鵜久森叶(芦田愛菜)を筆頭に、各話で自分や家族、友人、人生と向き合う生徒たちの迫真の演技に、毎週SNSで熱い称賛が殺到。
また、最終回ではサブタイトル「■された」の伏線が回収され、その意味深さにうなる声が続出しました。
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3. 『罠の戦争』
『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)は2023年冬ドラマ枠で、日曜22時に放送されました。命を懸けて尽くした政治家に裏切られた議員秘書・鷲津亨(草なぎ剛)が、権力を振りかざす不条理な政治家たちに復讐する物語。草なぎ剛さんが6年ぶりに主演を務め、『銭の戦争』『嘘の戦争』に続く戦争シリーズ第3弾として、放送前から期待値の高かった作品です。
※「なぎ」は、弓ヘンに前の旧字の下に刀
草なぎさん演じる鷲津が毎話仕掛ける“罠”は、スリリングながら爽快。腐った政治家を叩き斬っていくさまへの称賛とともに、「鷲津の真なる“敵”が一体誰なのか?」と、SNSでは考察も大いに盛り上がりました。また、中盤で権力を手にした鷲津が正義から一転、闇落ちしてから結末までの流れは、手に汗握る波乱の連続。「ORICON NEWS 上半期ドラマ満足度」1位に選出されたのも納得です。
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いずれも、2023年のNo.1ドラマだったと呼び声の高かった人気作。ロスを嘆く声も続出しました。2024年はどんなドラマと出合えるのでしょうか? 期待が高まります。
この記事の筆者:地子給 奈穂
編集・ライター歴17年。マンガ、小説、雑誌等の編集を経てフリーライターに転向後、グルメ、観光、ドラマレビューを中心に取材・執筆の傍ら、飲食企業のWeb戦略コンサルティングも行う。