総額で20万円必要? 私立中学受験の「受験料」はいくらかかる? リアルな金額を3人の親に聞いてみた

「中学受験」の怒涛(どとう)の塾費用納入が終盤に差し掛かり、次は合格後の入学金……ですが、その前に! 意外にも大きい金額が必要な「入学検定料(受験料)」。実際に総額いくら必要? リアルな金額や注意すべき点を聞いてみました。

お得な「複数回受験料割引」や「一律料金」も

このように、受験への取り組み方で金額に大きな差が出る「検定料」ですが、数回受験すると検定料の割引が適用される学校もあります。

例えば、2023年1月の入試で男女合わせて5000人以上が受験した埼玉の栄東中学校では、4回の受験日のうち、検定料2万5000円で2回出願、プラス5000円の3万円で4回まで出願できます。筆者は「セット割」と呼んでいますが、学校のホームページでは、「複数回受験料割引」などと表記されています。

第1回の受験日が2月1日の渋谷教育学園渋谷中学校は、1回の検定料が2万3000円。複数回受験で同時出願の場合、2回受験なら3万8000円、3回受験は5万3000円に。また、東京都市大学付属中学校では、設定されている4回の受験を4回全て受けても一律2万5000円です。

開成中学校や桜蔭中学校のように、受験日が2月1日しかない学校もありますが、もし志望校の受験日が複数回ある場合は、ぜひチェックしてみましょう。ちなみに筆者の周りでは、1月のお試し受験であり、第2〜3志望校としても選ばれやすい栄東を「プラス5000円ならお得」だと思って4回受験したという親子も結構います。あくまでも受験者本人の体力や状態次第ですが、保護者からは「2月受験に向けてもいい経験になった」といった声もありました。

ちなみに、公立中高一貫校の場合、受験料は2200円程度、国立中学校の場合は5000円程度といわれており、私立と比べて格段に安くなります。

※紹介した学校の検定料は2023年12月時点のもの

検定料の支払い方法は? 支払い関係の事前準備も必要!

全国1200校を超える学校で「miraicompass(ミライコンパス)」というシステムが導入されるなど、中学受験に限らず、高校、大学受験でもインターネット出願が主流となっています。それに伴い、学校によっては、出願締切が受験の前日や当日の朝(!)に設定されるなど、ギリギリまで考えを練って出願することも可能になりました。

「検定料」の支払い方法は学校によってさまざまですが、例えば「ミライコンパス」では、クレジットカード決済、コンビニ支払い、ペイジー支払いなどがあります。多少の手数料はかかりますが、出願と同時にその場で決済ができ、支払い忘れを防ぐには、クレジットカード決済とペイジー(ネットバンキング)がおすすめです。

ギリギリの手続きには、顔面蒼白なトラブルも!

受験日直前の出願や締切時間ギリギリでの入学手続きなど、時間との戦いにハラハラすることも多々ある中学受験。総額10万円以上の「検定料」や平均で25万円を超える入学金などを納めるために、あらかじめペイジーで利用するネットバンキングを登録しておくなど、支払い関係の事前準備は大切です。

合否結果により翌日の受験を出願する場合、出願締切が前日の23時59分までとなっている学校もあります。でも、ここで注意が必要なのは、検定料のペイジー支払い。ネットバンキングは深夜にメンテナンスが入ることも多く、中には23時台からペイジー決済ができなくなることも。締切ギリギリの時間に、想定していた支払い方法が使えずパニックになることがないよう、支払い方法については十分に調べておきましょう。

この記事の筆者:渡辺 有
小中学生を対象にした学習塾講師兼フリーランスライター。塾講師、小学校受験を控えた幼児教室の補助講師だけでなく、3児の母として自らの子育てから培ったノウハウや経験をもとに、受験・教育・子育ての実態について執筆活動を行う。
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