ビジネスシーンなどで使われる「タイト」という言葉。この記事では、各業界での正しい意味や使われ方、言い換え表現などを、現役フリーアナウンサーの新保友映が解説します。
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<目次>
・「タイト」の意味
・【業界別】「タイト」の意味
・「タイト」の使い方と例文
・「タイト」の類語・言い換え表現
・「タイト」の対義語
・「タイト」の関連用語
・まとめ
「タイト」の意味
ビジネスシーンなどで、カタカナ語で使われる「タイト」は英語の「tight」からきている言葉です。英語の意味は「きつい、堅い、しっかりした」「ぴんと張った」「隙間のない」「(服などが)きつい、ぴったり合った」「(予定などが)ぎっしり詰まった」「(物などが)不足している」などの意味があり、日本語でもこれらの意味で使われます。
【業界別】「タイト」の意味
業界別で使われる「タイト」の意味は以下のようになります。
・ファッション業界
ファッション業界での「タイト」はボディラインに沿って、衣服が体にぴったりと密着している状態をいいます。例えば「タイトスカート」は腰から裾にかけて、ぴったりと体に沿ってフィットするスカートのことをいいます。
・音楽業界
音楽業界での「タイト」は、ダラダラとした音楽ではなく、「タイミングが正確で、引き締まった」音楽のことをいいます。
「タイト」の使い方と例文
・ビジネスシーン
ビジネスシーンでの「タイト」は、時間や予算、商品の数などに「隙間がなくきつい様子」「余裕がない様子」「需要に対して供給に余裕がないこと」を表すときに使います。
【例文】
「今日一日タイトなスケジュールで忙しい」
「この商品開発に関しては予算がタイトでなかなか厳しいな」
「この商品は非常に人気で、需給がタイトになっている」
・日常生活
日常生活でもスケジュールが詰まっていて忙しいときや、音楽、ファッションに関しての話などで「タイト」という言葉を使います。
【例文】
「年末年始はのんびりできるかと思ったけれど、いろんなところに出かけて結局タイトなスケジュールだったな」
「彼はタイトなセーターがお気に入りでいつも着ているよ」
「あのバンドの、タイトなドラムが耳から離れないよ」
「タイト」の類語・言い換え表現
タイトの意味は先述したように、予定や日程が詰まっていて時間に余裕がなかったり、商品の在庫に余裕がなかったり、洋服などが体にぴったりと沿っていたりする様子を指す言葉です。そのため類語としては、「余裕がない」「時間がない」「ギリギリだ」「品薄だ」「ピタッとしている」などがあり、状況に応じて言い換えられます。
「タイト」の対義語
「タイト」の対義語としては、「きつい、堅い、しっかりした」「ぴんと張った」という意味で使うカタカナ語の「タイト」の場合は、「ゆるい、ゆるんだ」「(服などが)ダボダボの」「しまりのない」などの意味がある英語の「loose(ルーズ)」が対義語としてよく使われます。
「slack(スラック)」も「ルーズ」と意味はほとんど同じですが、カタカナ語としては「ルーズ」がよく使われます。「(服などが)きつい、ぴったり合った」「(予定などが)ぎっしり詰まった」「(物などが)不足している」などの意味で使う「タイト」の対義語は日本語だと「余裕がある」になります。
「タイト」の関連用語
「タイト」の関連用語には以下のようなものがあります。
・タイトオイル
「タイトオイル(tight oil)」は、頁岩(けつがん=シェール)や砂岩などの高密度な岩盤層から採取される非在来型の原油の総称です。ニュースなどでもよく聞く、シェールオイルも「タイトオイル」の一種で、地中の頁岩層に含まれる原油(石油)のことを指します。
・タイト化
経済的に余裕がなくなっていく状況を「タイト化」といいます。金融や労働市場などに関連して使われることが多い言葉です。
まとめ
「タイト」は「きつい、堅い、しっかりした」「ぴんと張った」「隙間のない」「(服などが)きつい、ぴったり合った」「(予定などが)ぎっしり詰まった」「(物などが)不足している」などの意味がある言葉です。業界や使われ方で少し意味が違いますので、しっかり理解して使うことが大切です。
■執筆者プロフィール
新保 友映(しんぼ ともえ)
山口県岩国市出身。青山学院大学卒業後、2003年にアナウンサーとしてニッポン放送に入社。「オールナイトニッポンGOLD」のパーソナリティをはじめ、「ニッポン放送ショウアップナイター」やニュース情報番組、音楽番組など担当。2018年ニッポン放送退社後はフリーアナウンサーとして、ラジオにとどまらず、各種司会、トークショーMC、YouTube、Podcast、話し方講師など幅広く活動。科学でいじめのない世界をつくる「BE A HEROプロジェクト」特任研究員として、子どもたちの授業や大人向け講座の講師も担当している。