ビジネスでの「ペルソナ」の意味とは? マーケティングにおける設定方法や要素、ターゲットとの違いを解説

ビジネスでよく聞く「ペルソナ」。正しい意味をご存じですか? この記事ではフリーアナウンサーの新保友映がマーケティングにおける設定方法や要素、ターゲットとの違い、注意点などを解説します。

ペルソナの意味とは? マーケティングにおける設定方法や要素、ターゲットとの違い、注意点を解説
ペルソナの意味とは? マーケティングにおける設定方法や要素、ターゲットとの違い、注意点を解説

ビジネスでよく聞く「ペルソナ」。正しい意味をご存じですか?

今回はフリーアナウンサーの新保友映がマーケティングにおける設定方法や要素、ターゲットとの違い、注意点などを解説します。

関連記事:【必須】マーケティング用語集|施策のフェーズ別・手法別に解説

<目次>
「ペルソナ」の意味とは
ペルソナマーケティングとは
「ペルソナ」と「ターゲット」の違い
「ペルソナ」の設定で検討すべき要素
「ペルソナ」を設定するメリット
「ペルソナ」を設定するときの注意点
「ペルソナ」の設定方法
まとめ

「ペルソナ」の意味とは

企業などが提供する商品やサービスの核となるユーザー像のことを「ペルソナ」といいます。マーケティング戦略や製品開発を行う際のターゲットとして利用します。

ペルソナマーケティングとは

氏名や年齢、性別、職業、出身地、家族構成、年収、趣味など、より深く詳しく、まるでその人物が実在しているかのように設定して、そのライフスタイルや好みに合わせた商品、サービスを作っていきます。このことを「ペルソナマーケティング」といいます。

「ペルソナ」と「ターゲット」の違い

「ペルソナ」も「ターゲット」も、商品やサービスのユーザー像を考えるという点では同じですが、対象の人物像をどれだけ詳しく設定するかが異なり、「ペルソナ」の方が、より深く詳しく人物像を設定します。

「ペルソナ」の設定で検討すべき要素一覧

・性別
・年齢
・住所
・住まい(持ち家、実家、賃貸など)
・最終学歴
・職業
・年収
・家族構成
・よく使うSNS
・よく読む雑誌、週刊誌
・趣味
・1日のスケジュール
・行動範囲
・最近の悩み
・今後の夢
など

住所や名前、年齢、性別、職業などの情報は箇条書きで、ざっくりしたもので大丈夫です。趣味や1日のスケジュール、最近の悩みなどは可能な限り詳しく書き出したり、決めたりします。

そうすることにより、自分の会社の商品との接点やマーケティングの仕方がより明確になっていきます。

「ペルソナ」を設定するメリット

「ペルソナ」を設定するメリットには以下のようなものがあります。

製品やサービスの訴求力が高まる

売りたい製品や提供したいサービスの情報を発信する際に、そのターゲットの設定が曖昧だと告知戦略が明確になりません。しかし、ペルソナを設定すると、製品やサービスのPRポイントが明確かつ具体的になり、訴求力が高まります。

担当者間の認識のすり合わせができる

一般的に、企業では複数のメンバーが1つの製品やサービスに関わります。その中でそれぞれが持つ顧客イメージがバラバラだと、販売や提供に向けた方向性がまとまらずぶれてしまいます。しかし、ペルソナを設定し担当者間で同じ人物像を描くことができれば認識のすり合わせができ、より製品やサービスを狙ったターゲットに届けられるようになります。

時間やコスト削減につながる

ペルソナを設定しユーザー像が明確になることで、製品やサービスの販売、提供方針がはっきりしてきます。もしチーム内で意見が分かれてしまったり、問題にぶつかってしまったりしたときでも、本当に必要なアイデアや方針をとることができるので、時間やコストの削減につながります。

ニーズに沿った開発が行える

ペルソナを設定した場合、ユーザーの求めているものが明確になります。製品やサービスを利用する架空の人物像を詳しく設定することにより、ユーザーが求めていることを把握したり理解したりすることができ、そのニーズに沿った開発を行えます。

「ペルソナ」を設定するときの注意点

「ペルソナ」を設定する際には、下記のことに注意しましょう。

イメージをできるだけ絞り込む

ペルソナを設定するときは、できるだけイメージを絞り込み、具体的な人物を想定することが大切です。イメージが広がり過ぎると、正確な分析ができなくなります。実在しそうな人物のイメージを絞り込んで設定することで、知りたい行動パターンや詳細なニーズが理解できます。

定期的な見直しが必要

世間の流行や市場の環境が変われば、顧客の生活環境や価値観も変化することがあるため、それに応じてペルソナも見直す必要があります。定期的に見直さず、同じペルソナを使い続けていると、とっている施策が意味のないものになってしまいます。そのようなことのないように、ペルソナは定期的に見直しましょう。

先入観だけで設定しない

先入観や主観だけでペルソナを設定するのは間違いです。例えば、「若い男性だからゲームが好きに違いない」「専業主婦だから節約をしているだろう」などの先入観で人物像を決めてしまうと、方向性を間違ってしまうおそれがあります。アンケートや調査などを踏まえた客観的なデータに基づいて設定することが大切です。 

現実的な人物設定を行う

ペルソナを設定する際は、自分たちにとって都合の良い人物像を作り上げてしまうことがありますが、それはただの理想となってしまい、現実的な購買層やサービスの受け手とはかけ離れてしまいます。現実的な人物を考え、できれば調査をしたりアンケートをとったりしてペルソナに反映しましょう。

シンプルさを心掛ける

不必要な情報が多すぎると、かえって知りたいユーザー像がぼやけてしまうことがあります。売りたい製品や提供したいサービスに関連するものに絞り込んで、シンプルに仕上げることが大切です。

「ペルソナ」の設定方法

(1)自社の分析をする

まず、自社についてしっかりと分析することが大切です。顧客に製品やサービスを購入してもらったり利用してもらったりするには、自分たちが明確になった購買層やユーザーの要望にきちんと応えられなければいけません。全く不可能なものをやろうとしても時間も無駄にしてしまうので、自社の強みを正確に理解しておきましょう。

(2)必要なペルソナの要素を考える

性別、年齢、住まい(持ち家、実家、賃貸など)、最終学歴、職業、よく使うSNS、1日のスケジュールなど、なるべくリアルな人物像を設定できるよう、要素を設定しましょう。

(3)ペルソナ設定に必要な情報収集をする

ペルソナに理想だけを盛り込んでしまわないように、アンケートをとったり、インタビュー調査をしたり、SNSでの反応調査をしたりして、必要な情報を収集しておくことが大切です。

(4)ペルソナを設定する

お客さま目線で考えたり、ターゲットの認識が共有できたりするよう、自社の方針に合わせたペルソナを設定します。

(5)定期的に見直す

先述したように、世間の流行や市場環境が変われば、顧客の生活環境や価値観も変化することがあるため、それに応じてペルソナも定期的に見直して、時流やニーズに合った施策をとれるようにしましょう。

まとめ

企業などが提供する商品やサービスの核となるユーザー像のことを指す「ペルソナ」。自社の製品のターゲットにしたい層を分析したり、購買層に合わせた商品を作り上げたりするため、「ペルソナ」を効果的に生かしてみてください。

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