「ジェラピケ」とのコラボ商品も先行販売
物販コーナーでは、艶やかな毛並みと発色の良さ、実際に番組に使われていたかのようなリアルな表情のぬいぐるみに囲まれて、「ぬいぐるみはもう買わない」と決めていた筆者も、数秒も迷わず即購入してしまいました。今だから必要とされる『セサミストリート』の世界観
人種差別、経済格差、移民問題など、社会的な課題や不安が山積みの1960年代のアメリカで、テレビというメディアを通して子どもたちに良質な教育を届けたいという思いのもと、『セサミストリート』が制作されました。アメリカでは1969年から放送開始、日本では当初、中高生の英語学習を目的に1971年からNHKで放送が始まりました。
自閉症への正しい知識を知ってもらうために2015年に登場した「ジュリア」、メキシコにルーツがある「ロジータ」、貧しさから食料不安を抱える「リリー」、誤解や偏見を改め、正しい知識を与えるために登場したHIVと闘う女の子「カミ」、里親に育てられた「カーリ」など、その時代の社会問題を背景に誕生したキャラクターも数多く存在します。
多様な環境で生まれ育った子どもたちが、偏見や誤解を乗り越えて、認め合い共存する世界が「セサミストリート」であり、「全ての子どもたちが素晴らしい」というメッセージを50年以上もの間、一貫して表現し続けています。
カラフルで個性的で愛らしいキャラクターたちは、これから世界が目指すべき、多様性を認める社会の象徴なのかもしれません。
この記事の筆者:福島 ゆき プロフィール
アニメや漫画のレビュー、エンタメトピックスなどを中心に、オールジャンルで執筆中のライター。時々、店舗取材などのリポート記事も担当。All AboutおよびAll About ニュースでのライター歴は5年。