どうする学校?どうなの保護者? 第9回

何やらキナ臭い「謎の5000万円の赤字」と「突然の会長の交代劇」 PTA全国組織で何が起きている?

PTAの全国組織、日本PTA全国協議会(日P)。巨額なお金を投じて事業を行っていますが、一般保護者や教職員はその存在すらほぼ知らないままお金を納めています。そんな日Pで今年、5000万円の謎の赤字が発覚し、翌月には突然の会長交代も。何が起きているのでしょうか?

日P会長、理事会で突然の解職

総会では、当時日Pの会長だった金田淳氏が「徹底調査を行う」と約束しましたが、しかし翌7月にはその金田氏が、理事会で突然解職されています。その後も日Pは赤字の詳細について、会員(各協議会)にも、一般保護者や教職員にも説明を行っていません。
 
一方、金田氏は9月に文部科学省で記者会見を開き、日P会館の修繕費について、決裁プロセスに問題があったことを主張。また解職の理由は「パワハラ行為」とされたものの身に覚えがなく、法的な対応をとるべく現在弁護士と相談中だと話しています。
 
なお、さいたま市PTA協議会は8月、日Pに2度目の公開質問状を送っています。10月にようやく返事があったのですが、その内容は質問への「回答」とは言い難い内容でした。
10月10日 日P「事務連絡」
日付の記載はないが、2023年10月10日に届いたという(さいたま市PTA協議会の公式Webサイトより)

 

日Pが預かっているのは、全国の保護者や教職員から集めたお金です。用途はもちろん、赤字の内容も、全ての関係者にきちんと公開・説明する必要があるでしょう。
 
日Pに電話またはオンラインによる取材を申し込んだところ、10月末、現会長が対面で取材を受けるとの返事がありました。ただし、12月以降になるとのこと。実現した際はここでまた内容をお伝えできればと思います。

※注:今月(11月)はじめ、ある媒体に日Pの現会長、後藤豊郎氏のインタビューが掲載されましたが、5000万円の赤字について、詳しい情報はやはり明かされませんでした。

この記事の執筆者:大塚 玲子 プロフィール
ノンフィクションライター。主なテーマは「PTAなど保護者と学校の関係」と「いろんな形の家族」。著書は『さよなら、理不尽PTA!』『ルポ 定形外家族』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』ほか。ひとり親。定形外かぞく(家族のダイバーシティ)代表。

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