レトロな客車列車の旅
1930~1960年代にかけて製造された茶塗りの旧型客車。蒸気機関車にけん引されるのはもちろん、SLが廃止されても電気機関車やディーゼル機関車にけん引されて各地のローカル列車として活躍していた。しかし、一部の例外をのぞいて国鉄からJRへと変わる頃には新しい客車や電車・ディーゼルカーに代わり、役目を終えた。客車列車そのものも、機関車の連結などの手間や動力分散型車両(電車やディーゼルカー)に比べるとスピードや加速減速などで見劣りがするため急速に淘汰(とうた)が進み、現在ではレアな列車形態となっている。
大井川鐵道の旧型客車列車
一方、大井川鐵道では、SL列車の運転にともない数多くの旧型客車を旧国鉄から譲渡され、15両ほど所有している。そんな中で、SL列車とは異なる魅力をアピールするために、電気機関車がけん引する客車列車を運転したところ大好評だったので、今回、普通客車列車の運転を期間限定ではあるものの再び実施することになった。
SL列車は、急行運転となっていて主要駅にしか停車しない。ところが、普通客車列車は、その名の通り普通列車なので、SL列車が通過している小さな駅にもこまめに停車する各駅停車なのだ。従って、急行券や特急券、指定券は不要で、運賃のみで乗車できる。定期券があれば、追加料金はいらない。
車内は、4人向かい合わせのボックス席が主体だ。窓は開くけれど、冷房はない。ドアは手動で乗客が開け閉めする。もっとも、うっかり転落する危険もあるので、走行中は閉めておこう。