スイカは本来なら、キュウリやカボチャと同じ「野菜」
熱帯のアフリカを原産地に、紀元前4000年以上前から栽培されてきたといわれているスイカ。日本へは中国から伝わったという説が有力で、「西域(現在の西アジア)の瓜」という意味合いから、「西瓜」という字に中国で呼ばれていた「スイカ」の読みを当てたといわれています。現在、日本でスイカは一般的に果実として認識され、スーパーなどでも果物のコーナーに並べられています。しかし実際はキュウリやカボチャなどと同じウリ科に属しており、園芸作物としての分類上では「野菜」に入っています。
農林水産省では、苗を植えてから1年で収穫する植物を「野菜」、2年以上栽培し、果実の部分を収穫して食べる植物のことを「果樹」と定義しています。
スイカは1年で収穫するため、本来なら「野菜」。ですが青果市場での取り扱いや、文部科学省における食物成分表では果実類として認識されています。そのため例外的に「果実的野菜」として分類されて扱われているんです。スイカと同様、メロンやイチゴなども果実的野菜です。
結論としては、スイカは植物学の観点では「野菜」に、市場や栄養学の観点では「果物」になります。どの立場から見るかで、スイカがどちらに分類されるかが変わるんですね。
スイカが食べきれない! 冷蔵庫に入らないときは冷凍しよう
最近では丸のままだけでなく、1/4サイズ、角切りなど食べやすくカットされたスイカも多く並び、便利になっています。スイカは熟した状態でスーパーに並ぶので、できれば購入日か、翌日など近いうちに食べきるのがベスト。ただ、やはりお値段を考えるなら丸ごとのスイカを買うのがお得ですよね。「丸ごと買ったはいいけれど、どうしても食べきれない……」「冷蔵庫に入りきらない……!」そんなときはひと口サイズにカットして種を取り、保存用のジップ袋などに入れて冷凍保存してしまいましょう。暑い日の帰宅時に、お風呂上がりに、口にポンと放り込めば涼しさが得られます。冷やした袋ごともんで細かくすれば、シャリシャリのシャーベットとしても楽しめますよ。
スイカの皮は浅漬けにして副菜に
普段は捨ててしまう皮も、ちょっとの手間で食事時の一品になるんです。しま柄の硬い部分は取り除き、白い部分のみを残すと瓜に近い見た目に。白だしや塩昆布などと一緒に漬けておくと、ちょうど良い箸休めになります。皮の部分はシトルリンという栄養成分が豊富で、血流を良くする働きがあるとされています。できれば捨てずに活用してくださいね。
果物としても野菜としても食べられるスイカ。夏が終わる前にぜひそのおいしさを満喫しましょう!
この記事の筆者:田窪 綾 プロフィール
調理師免許を持つフリーライター。総菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成、レシピ提案などを行う。