『クレヨンしんちゃん』の最新作は“現代社会の闇”がテーマ? 過去作の偉大さを痛感【ネタバレあり】

シリーズ初の3DCG化映画『しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦〜とべとべ手巻き寿司〜』が8月4日に公開されました。第31作目となる人気シリーズの最新作レビューを紹介します。 ※サムネイル画像:※筆者撮影

“大人の在り方”を教えてくれた歴代『クレしん』映画の偉大さ


最近の作品では、疲労とストレスが蓄積している現代人の姿を見せてくれた『嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス』(2012年公開)、高級かB級かではなく、大切な人と一緒に食べるご飯がおいしいということを教えてくれた『バカうまっ!B級グルメサバイバル!!』(2013年公開)、現代日本の父親の在り方、家族のために大嫌いなピーマンを食べるしんちゃんの勇気に泣かされる『ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』(2014年公開)など、今までの映画『クレヨンしんちゃん』シリーズは、家族愛、友情、現代の日本人の姿、子どもにとっての大人の在り方をテーマにした作品も数多くありました。

もっとも、劇場で今作を観賞している子どもたちからは、「おしり」「オナラ」などのワードが出るたびに、要所要所でいつも通りの笑いが巻き起こっていました。ただ、非理谷の設定がギャグをもかき消す“暗さ”だったことが影響しているのか、居合わせた劇場がたまたまそうだったのか、『クレヨンしんちゃん』の映画にしては子どもたちの笑いが少ない印象も。

そんな中でも、しんちゃんのキャラクター、しんちゃんの父・野原ひろしの足の臭さが描かれるシーンだけは、最新作映画でも健在。3DCGになろうが新次元だろうが変わらない、底抜けに明るく真っすぐなしんちゃんのキャラクターに救われた思いでした。


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この記事の筆者:福島 ゆき プロフィール
アニメや漫画のレビュー、エンタメトピックスなどを中心に、オールジャンルで執筆中のライター。時々、店舗取材などのリポート記事も担当。All AboutおよびAll About NEWSでのライター歴は5年。

 
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