1872年、新橋(旧:汐留駅)〜横浜(現:桜木町駅)間を結ぶ鉄道が開通。大正時代には好景気も後押しし、鉄路は全国へ広がりました。一方で、昭和恐慌などの影響もあり、計画倒れになった未成線も多くあったそうです。
不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」を運営するLIFULLは、関東の主要な12の「未成線」について、1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)在住の20~60代男女1100人にアンケート調査を実施しました。本記事ではその中から、得票数の多かった「実現してほしかった未成線」ランキングの結果を紹介します。
2位:東京山手急行電鉄
2位には、山手線の外側に環状線を計画した「東京山手急行電鉄」がランクイン。大正時代に持ち上がったこの計画は、郊外へ放射状に延びる路線同士をつなぐ第2の山手線となる環状鉄道でした。ところが資金繰りがうまくいかず、計画は中止に。もし実現していれば、一度都心のターミナル駅を経由することなく、郊外へと移動可能だったかもしれません。
アンケートでは、「東京西部は南北の移動が困難」「城東地区は縦の路線がなく不便」「満員電車の緩和にもなりそうだし、車の外環のように便利そう」などの声が寄せられました。
1位:成田新幹線
1位に選ばれたのは、日本の2大玄関口である羽田空港と成田空港を約15分で結ぶ「成田新幹線」でした。現在羽田空港と成田空港間は、電車利用の場合、エアポート快特、アクセス特急で約1時間40分、京成スカイライナーで1時間10分以上かかる距離となっています。この距離をぐっと縮めることができたはずの「羽田・成田リニア新線構想」は、羽田空港~成田空港をリニアモーターカーが約15分で結ぶもの。首都圏各地からの空港アクセスの改善で、国際競争力もアップすることが期待されていましたが、高額な事業費により、具体化せず今日まで至っています。
アンケートでは、「乗り継ぎが楽になりそう」「成田空港が使いやすくなり、羽田空港の混雑緩和につながる」「インバウンド需要もあると思う」などの声が聞かれました。
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この記事の筆者:チバ ミサキ
美大卒業後、新聞社などに勤務。デザイナー兼ライター。趣味は掃除と植木の世話。 暮らしかたも文章もシンプルさを目指していきたいです。