米津玄師の主題歌『地球儀』にまつわる話題も続々
公開後もTwitterでの話題は続きます。7月17日には「カヘッ」の鳴き声が長く連なる“謎めいた投稿”がされましたが、こちらをモールス信号に変換すると「みやざきさんまいにちきいてるよ」と解読できたのです。米津玄師の公式スタッフアカウントのREISSUE RECORDSでも同じ形式のツイートが投稿され、「ちきゆうぎきいてね」となります。つまり、これらのモールス信号は、主題歌『地球儀』を毎日聞いている宮崎駿と、聞いてほしいと願う米津玄師の言葉そのものだったのです。
さらに、公開から2週目を超えた7月26日に『地球儀』のCDが発売されることを受けて、その前日には「ピアノの後ろで聞こえる“きしみ”の正体はなんでしょうか?」というクイズが出題され、約11万5000票を獲得しました。
発売日当日にはソニーミュージックのプロモーションで「#僕たちはどう生きるか」のハッシュタグも誕生。公式PVも公開され、やはり大きな話題となっています。
“出し惜しみ”は吉と出るか、凶と出るか
Twitterでのプロモーションや観客の感想のSNSへの投稿が大盛り上がりをしている一方で、気になるのは公開2週目でも「予告編などの映像公開なし」が続いていること。7月21日に放送された金曜ロードショー(日本テレビ系)の『もののけ姫』でも、やはり予告編は公開されませんでした。さらに、劇中では人気が出そうなマスコットキャラクターも複数いるのですが、現時点ではグッズ販売の発表もされていません。悪い言い方をすれば“出し惜しみ”と言えますが、ポジティブに捉えればさらなる話題や、リピーターを劇場へと呼び込む“余力”を残しているといえます。少なくともパンフレットの販売がある(発売日は東宝公式Twitterで発表予定)ことは確定していますし、そのほかで誰も想像し得ない、さらなる宣伝の“隠し球”が用意されているのかもしれません。
『シン・仮面ライダー』の事例と比較
過去の事例を挙げると、公開前の情報がごく限られていた『シン・仮面ライダー』の場合、劇場公開から6日後の3月23日に「追告」動画を公開し、それまでシークレットだった出演者の情報も解禁していました(現在はAmazonプライムビデオで配信中)。これに対し、すでに作品を見ていた人からは称賛の声も上がりましたが、一方で「内容を明かしすぎている」という批判的な意見もいくつか見られました。公開2週目でいまだ予告編やグッズ情報などを明かしていない『君たちはどう生きるか』は、「映画館で見るしかなくなる」「グッズがほしいのに存在しない」など、観客の“飢餓感”をさらに刺激している、やはり宣伝を抑えに抑えた手法が成功していると取れますが……今後の展開はやはり未知数です。とはいえ、やはり今後のパンフレットやグッズの発売により、飢餓感でいっぱいのファンがまたも劇場に駆けつける可能性も高いでしょう。
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