最近アメリカで話題の子ども向け“LGBT”絵本
最近、アメリカでLGBT問題について解説する子ども向けの絵本が発表されて話題になった。本のタイトルは『Johnny the Walrus(セイウチのジョニー)』(DW Books)で、保守系のコメンテーターであるマット・ウォルシュ氏が2022年3月に出版したものだが、Amazonでは2200件以上のレビューが掲載され、2023年6月末時点での評価は5つ星中4.9と、かなり評判がいい。
気になる内容は
アメリカに暮らす知人が、その本を筆者に郵送してくれたので読んでみたが、興味深い内容なので簡単に紹介したい。
主人公は、ジョニーという名の男の子だ。ジョニーは想像力が豊かで、木製のスプーン2つを口にくわえてセイウチの牙のように見せ、両手には靴下をはめて、セイウチに扮(ふん)して遊んでいた。
それを母親が面白がってSNSに投稿すると、「インターネットの人たち」が、ジョニーに対して、少年のままでいるか、セイウチになるのかを決めろと迫る。しかも1度決めたら変更できないように追い込まれる。
さらに彼らは母親に、ジョニーにはミミズを食べさせ、ノコギリを持つ医師がいる病院に連れて行くようプレッシャーをかける。さらに動物園にも入るよう迫る人たちも現れる。結局、母親がジョニーを動物園に連れて行き、飼育係に「息子はセイウチなんです」と言うと、飼育係は母親に「子どもはセイウチなんかではないから、自分の子どもをきちんと守りなさい」と告げる。そして母親が冷静さを取り戻すという話だ。
ストーリーは、判断力が未熟な子どもが1度トランスジェンダーだと見られると周りからプレッシャーを与えられてどんどんその方向に流されてしまい、気が付けば取り返しのつかないことになりかねないと暗に警鐘を鳴らしている。男児がセイウチのように「女性」だと刷り込まれてしまうと、最後は手術までしてしまうケースが実際にあることを批判する。
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