新横浜ラーメン博物館(以下、ラー博)は2024年に迎える30周年に向けて、2022年7月1日から「あの銘店をもう一度」プロジェクトをスタート。過去に出店したことのある約40店舗の銘店が2年間かけてリレー形式でラー博に出店します。
2023年6月27~7月17日の「あの銘店をもう一度“銘店シリーズ”」第18弾は、佐賀・唐津「らぁ麺 むらまさ」が出店。「支那そばや」店主・佐野実さんが考案した「玄界灘塩らぁ麺」がラー博に復活します(画像は全て提供)。
佐賀・唐津「らぁ麺 むらまさ」誕生のきっかけとは?
「らぁ麺 むらまさ」は、新ご当地ラーメン創生計画の第3弾として2009年9月17日~2010年4月4日の間、ラー博に出店しました。
新ご当地ラーメン創生計画は、その地域の特性を生かしたラーメンを創生し、ラーメンによる地域活性化を目的としたラー博の企画です。プロデュースは全国の食材・食文化に精通している「支那そばや」店主・佐野実さんが担当しました。
海産物などの食材が豊富で、ラーメンのスタイルは確立されていないが先行する麺文化「うどん」は古くから食べられていること、そして、すでにラーメン文化が根付いている「北海道・函館」と似た文化が存在することから、佐賀県唐津市に決定。
ラー博で出店した後、必ず現地に戻り開業することを条件に出店事業主を募集し、唐津市で造園業を営むグリーンアーツが選ばれました。ラー博での出店後、2010年4月22日に帰郷オープンを果たし、現在も唐津で営業を続けています。
佐野さんが惚れ込んだ、玄界灘の塩を使ったラーメン
とんこつラーメンの聖地ともいえる九州で挑んだのは「塩ラーメン」でした。
というのも佐野さんが「玄界灘は暖流と寒流が入り交じる拠点でミネラル豊富な塩が採れると共に新鮮な食材が豊富に手に入る。九州の中でも独自の食文化が存在し、九州の他県に比べ素材本来のうまみを生かした食文化やあっさりを好む傾向がある」と判断したから。
そして何より、玄界灘に囲まれた加唐島で作られる唐津の塩「一の塩」に出会ったことも大きかったとのことです。
「料理で1番大切なのは水と塩」という佐野さんは、「まろやかで角のないこの塩を使えば、より食材本来のうまみが引き立つラーメンができる」と考えたのでした。試行錯誤の上、「玄界灘塩らぁ麺」が完成しました。
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