同棲して親にも会っていたのに、アプリに登録した28歳男性の実話
「彼女と同棲していたけど、マッチングアプリをやっていましたね」こう話すのは、直人さん(28歳)だ。彼は1年前に結婚したが、結婚前の同棲期間中に「彼女よりもっといい人がいるのではないか」とマッチングアプリに登録していた。
「同棲して親とも会い、あとはプロポーズだけ……、みたいな段階で『もっといい子がいるのでは?』と思ってしまうタイミングがあって」
直人さんは同棲中にもかかわらずマッチングアプリを使い、何人かの女性に会ったという。その中で「いいかも」と思う人もいた。しかし、最終的に結婚したのは同棲していた彼女だった。
「僕が風邪をひいたときに、献身的に支えてくれた彼女を見て、結婚を決めました。アプリでこっそり会った子の中に、確かにかわいいなと思う子もいたけれど、結局性格が合わなかったし、彼女のように献身的に支えてくれるタイプではないな、って。僕のことを支えてくれるのは彼女しかいない、と思った」
「もっといい人がいるかも」と別の女性を見たことで、逆に彼女の良さが引き立ったのかもしれない、と直人さんは言う。
「もっといい人がいるかも」には期限を決めよう
直人さんのように、「もっといい人がいるかも」と思って別の人と会った結果、今のパートナーの良さに気付くケースもあれば、冒頭のA子のように、完全に乗り換えてしまうケースもある。付き合いが長くなってマンネリしてきたり、SNSなどで友人夫婦の幸せそうな投稿を見たりすると、「もっといい人がいるかもしれない」という思考に陥ることは誰にでもあるし、しょうがないことだ。
そういう思考に陥ったまま、結婚してしまったら……。そっちの方が後々取り返しのつかないことになってしまう可能性がある。今のパートナーよりいい人を探したくなったら、探したらいい。真理さんの言うように、独身であれば不貞行為にはならないのだから。
大切なのは「もっといい人」を探す期限を決めることだ。
ちなみにA子は「20代の間に結婚したい」「結婚はタイミング」と宣言している。彼女は結婚に期限を設けていた。出産を考えてのことだ。結婚相手に出会ったのは、28歳の春。まさに期限ぎりぎりだった。
もし、29歳までに「サトシさんよりいい人」が現れなかったら、A子はサトシさんと結婚していたかもしれない。そう考えるとちょっぴり複雑な気持ちになってしまうが、Instagram上の彼女は間違いなく幸せだ。
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この記事の筆者:毒島 サチコ プロフィール
ライター・インタビュアー。緻密な当事者インタビューや体験談、その背景にひそむ社会問題などを切り口に、複数のWebメディアやファッション誌でコラム、リポート、インタビュー、エッセイ記事などを担当。