ヒナタカの雑食系映画論 第20回

「映画料金2000円の時代」が到来も、100円の値上げは妥当? 懸念される作品の「二極化」と「格差」

TOHOシネマズでの一般料金が2000円になることが大いに話題となりました。わずか100円とはいえ、その値上げは妥当か、はたまた懸念となることは何か、そして安く見る方法など、今必要なことを考えてみます。

映画館の会員になる人が増える可能性も

それでも希望となりうるのは、「2000円よりも安く見ようと工夫する人」が増えること、それに付随して「映画館の会員になってポイントを貯める」などして、映画館で映画を多く見る映画ファンが生まれるかもしれない、ということでしょうか。

事実、日本映画製作者連盟が発表した、映画館の平均入場料金は1402円。学生や子ども料金も反映されているとはいえ、現状の1900円の一般料金ではなく、割引料金で見ている大人も多くいるのは間違いありません。

一般料金が2000円に突入する時代でも、安く見られる方法をごく簡単に紹介しておきます。

・前売り券(ムビチケ)を上映開始までに買っておく
・サービスデーやレイトショーや平日の早朝など、割引がされる上映回を狙う
・映画館の会員サービスの「6本見たら1本無料」や「ポイントで安く鑑賞」などを利用する


筆者個人はこうしたサービスを駆使しているおかげもあって、1900円の一般料金を払う方がはるかに少なくなっています。
 

イオンシネマの破格のサービスも話題に

また、映画の一般料金が2000円に突入する時代で注目されるのがイオンシネマ。なんと、現状でも多くの劇場で一般料金は1800円または1700円であり、サービスデーなど割引の種類も豊富で充実しています。さらに、イオンカード(ミニオンズ)会員になれば、年間30回まで一般料金1000円で見られるという破格ぶりも話題になりました。

さらに109シネマズではカード利用者本人だけでなく同伴者分のポイントも付与されたり、MOVIXやピカデリーなど松竹系の映画館では鑑賞のたびにチケット購入で使える1300円のクーポン(インターネット購入時のみ、60日有効)がもらえたりするなど、各大手シネコンでは知れば知るほどお得なサービスがあります。もちろん、ミニシアターでも会員サービスに力を入れている劇場が多くあります。

さらに、配信サービスのU-NEXTでは毎月付与されるポイントを使って、映画館のチケットをお得に購入できるサービスもあります。1500円分のポイントで映画館で映画が見られるため、筆者も月に1回ほど利用しています(ただしオンラインチケット予約サービス「KINEZO」での劇場では割引なし)。
 

お得に映画館で映画を見る方法を知る人が増えてほしい

結論としては、映画館の鑑賞料金が2000円に突入する時代でも、それよりもはるかにお得に映画館で映画を見る方法がたくさんあるということです。

しかし、映画館で映画を見る人は日本人口の半分以下で、年に1~2回だけ映画館に足を運ぶ人がその6割を占める現状では、映画館の会員サービスになっていない、変わらず一般料金のまま見ている人の方が多いでしょう。

劇場からも会員サービスや割引料金のお得さをよりアピールし、ライト層もそのことに気付くことを願ってやみません。きっと、複数回利用するだけで「こんなに安く見られるのか!」と驚くと思いますよ。


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【参考】
※1:映画料金は高い?安い?映画料金の海外事情と意外な地方差 | サンライズ社 | シネアド、映画館CM・広告、映画館プロモーション
※2:韓国で映画観覧、4人で1万円「庶民にはもう無理」 クリエイティヴ・リンク| 国際ニュース:AFPBB News

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