アレクサやSiriに話しかけるのも当たり前の今、どんな家電にしゃべってほしいと思われているのでしょうか。また、単なる「はい」「いいえ」などの返答だけではなく、現在の機能ではどんな会話ができるのでしょうか。
All About編集部は4月19日~24日、全国10~60代の男女500人を対象に「しゃべってほしい家電」に関する独自のアンケート調査を実施。本記事ではランキングと共に、アニメ『美少女戦士セーラームーン』でセーラーウラヌス役の緒方恵美さんや、『鬼滅の刃』で甘露寺蜜璃役の花澤香菜さんなど、有名声優の声でしゃべる家電も販売しているシャープへの取材結果をご紹介します。
1位は? 毎日必ず開けるあの家電が獲得
まずはランキングとアンケートの結果から見てみましょう。
1位は「冷蔵庫」で120票でした。冷蔵庫に寄せられた期待の声は以下の通り。
「ドアが閉まっていない時に教えてほしい」「賞味期限を教えてほしい」「買い出した方がいい食品を教えてほしい」「おすすめのレシピを教えてほしい」
ドアの開けっ放しを教えてほしいというあるあるから、少し難しそうな賞味期限の管理までさまざまですね。シャープによるとAI(Artificial Intelligence:人工知能)とIoT(Internet of Things:モノのインターネット)、この2つを組み合わせたAIoT機能があれば、可能になってきているのだとか。
シャープ:「AIoT機能対応の冷蔵庫は、おすすめの献立や、食材の保存方法などのアドバイス、天気予報などの暮らしに役立つ情報まで音声で教えてくれる機能を搭載しています。また、音声認識機能まで備えたモデルもあり、簡単・手軽に家電と対話することができます」
しゃべる冷蔵庫は、近くのスーパーの特売情報も教えてくれるそうで、気になります。2位は「洗濯機」で93票でした。
「洗濯物の入れすぎを教えてほしい」「なんのエラーかを教えてほしい」「フィルターを掃除してほしい時にやさしく教えてほしい」
アンケートによると、エラーなど洗濯時に気を付けたいことに関する内容が多そうです。
シャープ:「音声機能搭載の洗濯機は、『給水されていません。蛇口を確認してください』のようなエラーに関するお知らせ、『乾燥フィルターのお掃除してくれましたか? お手入れをし忘れると乾きにくくなりますよ』のようなお手入れに関するお知らせを音声でお話しします。
さらに、その日のお天気と、天候に応じて最適な洗濯方法のアドバイス機能も搭載。例えば午後から天候が崩れる日は、乾燥機能の使用をおすすめして、外干しした洗濯物が濡れてしまうことを防いでくれます。また、『お洗濯おつかれさま』といったねぎらいの言葉や、『メリークリスマス』といった季節のあいさつなども好評です」
天気予報まで教えてくれるのですね。3位は「電子レンジ」で84票でした。アンケートの声は、以下のとおり。
「あたためが不十分な時にアドバイスがほしい」「あと何分くらいでできますよと予告がほしい」「あたため後に放置している時にやさしく教えてほしい」
あたため方に関するアドバイスがうれしいもよう。
シャープ:「ウォーターオーブン『ヘルシオ』の音声対話も可能なモデルなら、献立選びに悩んだら話しかけることで、献立の相談に応えてくれたり、操作に迷ったら話しかけて手動調理を設定したりできます」

やっぱり気になるのは電気代……
今回のアンケートでも、電気料金の高騰からか、電気代そのものや電気代を抑える方法をしゃべってほしいとの声が全家電に共通してありました。しゃべる家電は、省エネに役立つ内容を話せるのでしょうか。
シャープ:「当社のAIoT対応機種については、省エネに関してのお知らせもします。例えば冷蔵庫なら、『冷蔵室の吹き出し口のあたりに食品を詰め込むと、冷えが悪くなって省エネによくないですよ』、エアコンなら『1時間程度なら、オンオフはこまめにするより、つけっぱなしの方が省エネになる場合があるので、よければ試してみてください』や、『今月の電気代は1万円を超えました』など。また、都道府県内での省エネランキングを発表して、省エネ意識を高める取り組みもしています」
ちなみに、おしゃべり機能による電気代への影響はほとんどないとのことで安心です。
購入者からどのような反響が? 実際に使ってみた際のAIの反応とは
実際に使っている方からはどんな声があるのでしょうか。
シャープ:「『朝からあいさつが聞けたり、帰宅後や家事の後にねぎらいの言葉が聞けたりして、QOL(クオリティオブライフ・生活の質)が向上する』また、『家電を今まで以上に使うようになり、改めて便利さ・快適さを実感できるようになった』といった反響をいただいております。複数の音声発話対応家電をお持ちのお客さまの中には、ある家電が発した声を別の家電が認識して応答する。というキャラクター同士が家電を通じて会話しているようなことが起こったという内容もSNSで投稿されていました」

また、実際にシャープ社員で使用されている家庭では、こんなことも。
シャープ:「標準の音声で使っているときは、子どもがその音声のまねをしてしゃべるなど、生活にすっかり溶け込んでいますね。また、設定を英語に変えて、簡単なリッスン・アンド・リピートをするなど、発話を楽しむことも。さらに、好きな声に変えて喜んでいるだけではなく、アニメやテレビ番組のナレーションの声を聴いて、どの声優さんかが分かるようになるなど、生活の中での声に対する意識も変わったように思います」
しゃべる家電は防災にも役立つらしい
そんなシャープは2023年で111周年。11月11日に「Sharp Technology Day」というイベントの実施も決まっているのだとか。最後に、今後のしゃべる家電の方向性についても伺いました。
シャープ:「ひとつの方向性は、音声機能搭載商品の拡大と発話機能の進化、もうひとつの方向性は発話機能を持った家電を活用したサービスの拡充です。後者の発話機能サービスとしては、冷蔵庫と空気清浄機が家族からのメッセージを音声で伝えてくれる『シャープ伝言』サービスを既に実施中です。
また、日常使う家電製品を防災のときに役立てる『フェーズフリー』という考え方のもと、防災情報を家電の発話機能で伝えるという実証実験を茨城県つくば市と国立研究開発法人防災科学技術研究所と共同で実施しました。これからも公共サービスとの連携などにより、生活に根差したサービスの拡大に取り組んでまいります」

しゃべる家電は日常生活だけではなく、非常時に役立つ可能性を秘めているんですね。
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