ヒナタカの雑食系映画論 第19回

コナンとマリオの映画、なぜ“異次元”の興行収入に? カギは「あまり映画館に行かない」ライト層か

2023年の映画館は大盛況! 特に『名探偵コナン 黒鉄の魚影』と『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の興行収入がすごいことに。その理由を分析します。(C)2023青山剛昌/名探偵コナン製作委員会 (C)2022 Nintendo and Universal Studios. All Rights Reserved.

特典のブーストなしでも100億円に到達したコナン映画

『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は公開から24日間で観客動員数は728万人、興行収入は103億を突破しました。コナン映画ファンにとって「100億円突破」はなかなか到達しそうでできない「悲願」でもあったのですが、今作で初めて、しかも公開から1カ月もたっていないGW終わりの時点で「スッと」ゴールしたのです。
 

今作は「初速」からすさまじいものがありました。前作にして、これまでのシリーズ最大ヒット作であったはずの『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の公開3日間の観客動員数は132.19万人、興行収入19.07億円。対して、今作は公開から3日間で観客動員数217.64万人、興行収入31.46億円という数字。つまり、初速から前作の1.5倍を軽々と超えているのです

映画興行は、口コミで巻き返す“ごく一部の例”を除いて「公開から3日間で全てが決まる」と言っても過言ではありません。『名探偵コナン 黒鉄の魚影』はまさに超ロケットスタートを切ったからこそ、早い段階での100億円突破となりました。4DX、MX4D、Dolby Cinema(ドルビーシネマ)、IMAXというハイクラスの上映が公開日と同日にスタートした影響も大きかったはず。

また、近年の興行収入記録を塗り替える話題の映画は、入場者特典を大体的に配布することも多いのですが、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』はそうした“ブースト”なしでも100億円に到達したことも特筆すべきでしょう。
 

初週を上回る歴代2位のペースで記録を積み立てるマリオの映画

そのように『名探偵コナン 黒鉄の魚影』が歴史的超大ヒットを遂げている最中でも、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は公開からわずか10日間で動員467.66万人、興行収入65.38億円を突破しました。
 

公開2週目の興行収入を他の超大ヒット映画と比べると……、『ONE PIECE FILM RED』の64.74億円(※土曜日が公開日だったため9日間での集計)や、その『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の58.66億円をも上回り、『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』の107.5億円に次ぐ史上2番目の勢いとなっています。興行収入100億円突破も確実といえるでしょう。

また、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の“初速”は公開3日間で18.42億円を突破と、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の超ロケットスタートよりは低い数字でした。GW後半では初速を上回る勢いで観客が詰めかけて、2週目で追い抜いたというのも驚異的です。

かつ、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は世界的にも超大ヒット。全世界での興行収入はすで1500億円を突破しており、アニメ映画の歴代の興行収入の第4位まで浮上。どれほど記録を伸ばすのか、大きな注目が集まっています。


>次のページ:コナンとマリオ、なぜ異次元の興収に? 共通の理由を分析

 
Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

連載バックナンバー

Pick up

注目の連載

  • どうする学校?どうなの保護者?

    「PTAがないと保護者は学校や行政に要望できない」はホント? 思い込みが要望の実現を妨げる例も

  • 「正直、日本ってさ…」外国人に聞くぶっちゃけニッポン

    「身長が193センチあるので……」日本大好きなニュージーランド人が、日本の電車で困っていることは?

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    国鉄特急を回顧する写真展を鉄道博物館で開催! 今はなき「絵入りトレインマーク」も展示

  • ヒナタカの雑食系映画論

    『先生の白い嘘』のインティマシー・コーディネーター不在を改めて考える。「入れれば万事OK」ではない