ファンが発信し続ける限り、“推し”は永遠に存在する
ゆりこ:それは推しの「これまでの最高の仕事」「好きだったところ」を改めて言葉や文にしてアウトプットすることです。SNSやnote、ブログなどもオススメですし、抵抗がある場合は不特定多数の人に見せなくても大丈夫。身近な友達とか、趣味が合いそうな職場の仲間に話すとか。これを「推し褒め療法」って勝手に呼んでいるんですが。
矢野:自らPR担当になるってことですね。解散してしまったり、いろんな理由で表舞台から消えてしまったりしたアーティストも「仕事」は残りますし、それを語り継ぐファンがいる限り存在感は消えない。
ゆりこ:マイケル・ジャクソンなんて死してなお、存在感ありまくり。すでに解散したSMAPも未だにいろんな場所で話題に上がりますよね。ファンが語り継いでくれる情報のおかげで、若い世代は新しい世界を知ることができるし、発信者の心の傷を癒す効果もあるので一石二鳥なのです。
矢野:あ、そういえば、冒頭でゆりこさんがライターになるきっかけが「好きなアーティストの急死」だっておっしゃっていましたよね?
ゆりこ:そうそう。最初はメソメソしていたのですが、同時に「私が亡きジョージ・マイケルの音楽を語り継いでいかねば!」っていう謎の使命感が生まれてしまって、衝動的に音楽ライター塾の門を叩きました。下手くそな文章を無我夢中で書いているうちに、喪失感が徐々に癒やされていくのに気付いて。そんな中で長年聴き続けていたK-POPのお仕事をもらうようになり、今に至ります。だいぶ極端な例だと思いますが。「推し褒め療法」は実体験済みです。
矢野:韓国じゃなくてイギリスの歌手がきっかけというのは意外でした。大昔はいわゆるマスコミしか情報発信できませんでしたが、今はスマホ1台で推しのPR担当になれる時代。環境は整っていますよね。
ゆりこ:はい、誰でも「推し褒め療法」は使えます。文章が上手いかどうかなんて正直どうでもいい。熱量と愛は読む人に伝わりますので。配信サービスやYouTubeのおかげで、気軽に音楽やMVをシェアできるのも良い時代ですしね。
矢野:今生まれたばかりの赤ちゃんが大人になっても、自分の好きだった亡きアーティストや解散したグループの作品が残っていて、変わらず愛されていたらファン冥利(みょうり)に尽きますね。僕も「チャットモンチー(※2018年に解散)」の素晴らしさを語り継いでいきたい(笑)。
ゆりこ:誰か著名人を応援していたら、避けられないショックなニュースをいかに乗り越えるか。私からのご提案は「推しのPR担当として良さを発信し続ける」でしたが、皆さんの「乗り越え方」も聞いてみたいです。
矢野:興味ありますね。もしオススメの「自分ケア方法」や「乗り越え方」があればSNSなどで発信していただけるとうれしいです!
【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウォッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。
編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやメンズファッション記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)。
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