最初のショック期の“対処法”は人それぞれ。心がザワつく情報はシャットダウンしてみる
矢野:悲しみ方は人それぞれ違いますよね。号泣する人もいれば、涙をこらえる人もいる。原因を追求したがる人もいれば、目をそらそうとする人、ポジティブに受け止めようとする人、何かアクションを起こそうとする人、じっと静観する人、思いの丈を書いてSNSにアップする人………。
ゆりこ:最初のショック期は正直、対処法なんてなくて、もうひたすら自分の自然な反応のまま悲しむしかない。そこに正解も不正解もないと思っています。その中で他の人と悲しみを分かち合いたい、詳細な情報が欲しい……などいろんな理由でSNSを見ることもあると思うのですが、そこで1つ覚悟しておきたいのは、自分と違う悲しみ方をしている人がいて、違和感を感じる場合もあるだろうってことです。
矢野:あー。なんだか分かります。ショックなニュースの後、SNS上で「時期尚早じゃない?」「軽く捉えていない?」「そんなのアーティスト本人は喜ばない」、そんな辛辣(しんらつ)なワードが飛び交っているのを目にして胸がキュッとしたのも事実。
ゆりこ:自分もパニック状態で、相手もパニック状態なので余計に燃えちゃうし、ついトゲのある言葉になってしまいがち。すぐに冷静になるのは難しいかもしれないけれど、表立って他人を非難しないでおくという姿勢は大事だと思います。ただでさえ傷ついた自分の心と誰かの心に粗塩をすり込むような行為はしなくて良いのでは? というのが私の意見です。悲しい思い出がさらに悲しいものになっちゃうので。
矢野:「見れば見るほど負の感情が増していくな」と気付いたら、いろんな情報をシャットダウンするのも手ですよね。
ゆりこ:その通りだと思います。それができたら苦労しないよ! って感じかもしれませんが、スマホやパソコンを閉じて家の外に出てみる、好きな物を食べに行くとかね。
矢野:できる限り現実世界の自分を「快」の状態に持っていくしかない。
ゆりこ:そしてここからは次の段階の話。ようやく気持ちが落ち着いてきた頃ですね。このあたりでぜひやってみてほしいことがあります。自分のためでもあり、誰かのためでもあり、回り回って推し本人のためにもなることです。
矢野:それは何でしょう?