M世代の韓国エンタメウォッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし!
#16のテーマは「SMエンターテインメント買収騒動の総まとめ」&「HYBEが憂慮するK-POPの危機」について。
ひと段落したからこそ見えてきたSMエンターテインメント、HYBE、カカオの共通点、世界市場から見たK-POPの現実について語ります。
キーワードは「危機感」「改革」そして「成長痛」!?
【前回の記事(#15)はこちら】
SMエンタ、HYBE、カカオが抱える共通の課題
K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):今まで3回に分けて、ここ数年で1番とも言えるK-POP業界の大事件「SMエンターテインメント(以下、SM)の買収騒動」についてお話ししているわけですけれども。
#14(SM編)はこちら
#15(カカオ編)はこちら
編集担当・矢野(以下、矢野):今回はいよいよHYBE&総集編ですね。SMの買収騒動を振り返ってみて、途中まではどうなっちゃうんだろう? と心配になるほどカオスな状態ではありましたが……。
ゆりこ:ひと段落して冷静に見てみたら、渦中の3社(SM、HYBE、カカオ)はどこも似たような課題を抱えていたんだなと思いましたね。キーワードは「危機感」と「改革」だったのかもしれない。
矢野:第一報を聞いた時は「いよいよK-POP界の陣取り合戦が始まった!」と思ったのですが、そういうことではなく。
ゆりこ:もちろん、そういう面だって否定できないと思います。物議を醸した“HYBEメイドなSMロゴ”を見たらね。でも根本的なところ、SM、HYBE、カカオを突き動かしたのは「変わらなければ」という危機意識だと思うんです。
矢野:外から見てもSMは過渡期を迎えていた、というのは何となく理解できます。今でもこんなにニュースになるのは、まだまだ影響力があるから。でも僕が母と一緒に少女時代に夢中になっていた10年前と比べると、ちょっと(勢いが)落ち着いてしまっていたのかもしれません。実際に2022年の売上高を調べてみたら、HYBEの半分以下でした(※1、2)。
ゆりこ:実際に数字で見るとブランドイメージとの乖離(かいり)を感じますよね。もうSMはかつての絶対王者ではないと経営陣は痛感しているはず。