推し活にも影響アリ? ファンとアーティストに向き合おうとする「SM 3.0」
矢野:SMから新しいグループが発表されるのは数年に1度ってイメージでしたが。
ゆりこ:以前は平均すると3年半に1組のスパンだったのを、1年に2組以上出していくことを目指しているみたいです。さらに既存アーティストのカムバ(アルバムリリース)も増やす方向で動いているそうですよ。
矢野:続々と“供給”があるのは喜ばしいけれど、ファンの体力とお財布がちょっと心配(笑)。
ゆりこ:ファンの負担を少しでも減らそうということで、チケット手数料の引き下げも決定しました。ライブチケット販売の際にこれまで系列会社が受け取っていたマージンの部分です。たった数百円ですが。さらなる見直し希望!
矢野:そういった細かい部分から改善してもらえるとありがたいです。ライブやイベントが復活してうれしい限りですが、推し活コストも上がりますから。
ゆりこ:ファンだけではなくアーティストに対してのデマ、誹謗(ひぼう)中傷対策にも本腰を入れるそうですよ。テキスト分析AIを使ってフェイクニュースも洗い出したり、「KWANGYA 119」という申告窓口を作って、きちんと対処しますと(※4)。
矢野:あ、ここでは残っているんですね。「KWANGYA(クァンヤ/近年SMが提唱していた独自世界)」が(笑)。最近もEXOメンバーのデマが流れましたし、アイドルは常にそういったトラブルに巻き込まれがち。アーティスト、スタッフ、そしてファンのメンタルを削る行為は徹底的に取り締まってほしいです。
ゆりこ:「有名税」なんて嫌な言葉、本当に無くなるといいな。そして個人的にホッとしたのはNCTの無限拡張がストップするという発表です。既存メンバー、ユニットをもう少し大切に……ね。
矢野:同感です。最後に決まっている「NCT TOKYO」を楽しみにしつつ、その次は全然違うグループが見たいですね。
ゆりこ:そういえば、バーチャルアイドルのデビューも準備中らしいですよ。「SM3.0」の発表の中でもnævis(ナビス)という女の子がお披露目されていました。aespaのMVにも出てくるキャラクターです。韓国にはAPOKIというバーチャル歌手がいますが、SMのような大手事務所が本気で参入してきたらどうなるか見ものです。
矢野:イ・スマンさんが去ってもKWANGYAは拡大と進化を続けるのでしょうか。
ゆりこ:気になるKWANGYAの行方(笑)。今回はざっくりとファンに直接関係しそうな部分について触れてみましたが、「SM 3.0」の声明って辞任した前共同代表が発表したもの。根本からひっくり返されることはないかと思われますが、本格的にカカオが経営に参画してくると、いろいろと方針転換があるかもしれないですね。
矢野:そして実は僕、今回SMを買収したカカオのことが1番分からないです(笑)。どんな企業で、なぜ今回出てきたの? というところも。
ゆりこ:では次回、カカオとは? という部分についても触れていきたいと思います。
【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウォッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。
編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやメンズファッション記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)。
参考
※1:SMTOWN SM 3.0
※2:プレスリリース
※3:プレスリリース
※4:スポーツソウル 2023年3月23日
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