SMが基盤を作り、各社が発展させてきた「K-POPアイドルの育成メソッド」
ゆりこ:いったん冷静に分析すると、まずSMが成功した秘訣の一つは「育成システムの確立」だと思います。
スターになる可能性のある10代を韓国中、そして海外からも探して選び抜く。厳しい審査を経た後、晴れて合格した練習生は共同生活と練習の日々を送ります。プライベートも厳しく管理しながらレッスンを受けさせ、そして最後にその中からより強く光る、且つその時期のSMのコンセプトにマッチする一握りのメンバーだけをデビューさせるんです。
矢野:それは少し日本のジャニーズや宝塚の世界にも似ていますね。
ゆりこ:はい。共通点はあると思います。スマンさん自身が日本をはじめとする海外のアーティスト育成システムを参考にしたと公言していますので。では、SMの特徴は何だったかというとダンスや歌、語学、立ち居振る舞いなどを「全て網羅して」「徹底的に」「性別関係なく」叩き込んだことだと思います。
矢野:ボーイズグループもガールズグループも両方いますし、みんな歌もダンスもハイレベルですもんね。多言語を流暢に話せるメンバーも多い。ちなみに、そういったSM式の育成システムって今は他の事務所も取り入れていますよね。
ゆりこ:大半のK-POP事務所がSM方式をベースにしていると思います。ちなみに、今のHYBEはもちろん、YGやJYPの練習生になるのも超狭き門であることを付け加えておきます。
矢野:YGってBLACKPINKやTREASUREが所属しているところですよね。あとは僕が思春期に聴いていたBIGBANGのイメージも強いです。
ゆりこ:SMがK-POPアイドルの王道とするなら、YGはアイドルでありつつ本格HIPHOPを取り入れるという特色があります。それは創業者ヤン・ヒョンソクさんが元々「ソテジワアイドゥル」という伝説的HIPHOPユニットのメンバーだったことが影響しています。彼のニックネームが「ヤングン」で、そのアルファベットから「YG」と名付けられました。
矢野:もしやSMはスマン……。
ゆりこ:大正解です! JYPはもちろんその名の通りJ.Y. Parkから。HYBEの元の社名「Big Hit エンターテインメント」も創業者のパン・シヒョク氏の別名「ヒットマン」からきています。
矢野:社名の由来、どこも単純明快ですね。そしてSMの話に戻しますが……そもそも才能がないと練習生にさえ選ばれない上に、踊りも、歌も、ラップも外国語でのトークもしっかりできてナンボとえげつない努力を求められるってなかなかキツイ世界ですね。どの会社も同様のシステムということならば、さらなるSMだけの強みって何でしょうか。
ゆりこ:「SMファミリー」と呼ばれるアーティスト同士の連帯感、そこから生まれるブランド力でしょうか。ここに関しては、今度SMのお家騒動を中心に取り上げる回でお話しできたらうれしいです。
矢野:買収騒動に関しては、まだまだ情報が錯綜していますからね。別途しっかり取り上げましょう!
#12はここまで。次回(#13)では、YG、JYP、そしてHYBEについてより詳しくお話ししましょう。
【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:韓国芸能&カルチャーについて書いたり喋ったりする「韓国エンタメウォッチャー」。2000年代からK-POPを愛聴するM世代。編集者として働いた後、ソウル生活を経験。
編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやメンズファッション記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)。
参考
※1:プレスリリース
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