恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第66回

明治期に活躍した古典「SL2109号機」 2023年も元気に日本工業大学で展示運転開始!

1891年に英国から輸入され、各地で活躍した2109号SLは、現在、日本工業大学(埼玉県)で保存中だ。産業遺産に認定され、登録有形文化財でもある貴重な車両で大学構内を汽笛を鳴らし、煙を吐いて走行する。2023年も、2月18日に展示走行を一般公開した。

大学キャンパス内での走行

出発進行! 脇に立つ腕木式信号機が良いアクセントになっている

日本工業大学の広大な埼玉キャンパス内には、工業技術博物館があり一般公開(入館無料)している。その脇に2109号機専用の機関庫があり、大切に保管されている。機関庫からは線路が120メートルほど延び、ここを機関車が往復運転する。通常は、第3土曜日の午後に公開運転となっているものの、大学内のため、行事や入試などが優先され、運転を行わない月もあるようだ。事前にホームページで告知されるので、それに従って訪問したい。
 

コロナ禍のため、しばらくは運転が中止されていたが、2022年の後半から運転が再開。2023年は2月18日が最初の運転日だった。東武動物公園駅(東武伊勢崎線、愛称「東武スカイツリーライン」)からのんびり歩いていくと、15分ほどでキャンパスに到着。週末なので、構内は人もまばら、大学関係者に場所を訪ね、奥にある機関庫(13号館)前にたどりついた。すでに機関車は整備を受け、発車の準備に余念がない。

運転台を見学できるチケット

機関庫の隣にある工業技術博物館の玄関を入ってすぐの受付で、運転席見学の申し込みをした。受付時間は、前半(13時30分~14時10分)の部が12時まで、後半(14時20分~15時)の部は13時まで。
 

機関車は客車を牽引するわけではないので、乗車体験とは機関車の運転台に乗って往復することである。狭い運転台に一度に5人まで乗れる。抽選となっていたが、大勢申し込んだわけではなかったので、1往復増便していただき、申込者全員が乗れることとなった。

終点近くからの撮影

筆者は4往復目の乗車となり、最初の2往復ほどは、近くで走行シーンを撮影することにした。線路脇で安全に撮影できるのは、出発シーンとすぐ近くの踏切付近のみ。線路沿いに歩いてみたけれど、植え込みがあって、機関車の足回りは撮影不可能だった。
 

線路の終点近くも植え込みがあったものの、脚立を使って撮影しているファンがいて、ご厚意で便乗して正面に向かってくる雄姿を撮影できた。

大学の敷地外からも撮影してみた

一旦構内を出て北側の線路沿いに敷地外から撮影するのもアングルが異なり面白い構図で撮影できる。ただし、快晴の時は逆光になるのを覚悟しておこう。
 

>次ページ:SLの運転台見学

 

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