恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」 第65回

観光列車「THE ROYAL EXPRESS」北海道クルーズ 、2023年の夏は最北の地へ

豪華観光列車「THE ROYAL EXPRESS」の夏季限定となる北海道でのクルーズ列車が2023年も運行する。その驚きの内容とは。

伊豆高原駅に到着した「THE ROYAL EXPRESS」

通常は、横浜から伊豆急下田まで運行している豪華観光列車「THE ROYAL EXPRESS」。2020年からは、夏の一時期に「THE ROYAL EXPRESS ~HOKKAIDO CRUISE TRAIN~」(北海道クルーズ列車)として北海道内を特別運行してきた。4年目となる2023年は道内での新たなエリアでの運行を予定している。試乗会で体験した驚きの内容を公開する。
 

走る列車内での企画発表会

3号車マルチカー車内。椅子とテーブルは可動式

新たな企画の報道機関向け発表の場としては、ホテルなどが一般的である。ところが、豪華観光列車THE ROYAL EXPRESSは違った。列車内で会議、パーティー、結婚式などのイベントを行えるように設けられた3号車マルチカーが、新企画説明の場となったのだ。しかも駅での停車中に行うのではなく、通常運行同様、横浜駅を発車して伊豆高原駅へ向かう車内での発表とはしゃれている。
 

北海道の食材がぎっしり詰まった試食体験

列車が横浜駅を発車すると、まずは指定されたテーブル席でランチタイム。それも通常の食事ではなく、この日のための特別メニュー。北海道ツアーをイメージできるようにとの配慮から、HOKKAIDO CRUISE TRAINの車内で提供されることとなる新メニューの一部を先駆けて試食できた。

車内で試食した新メニューの一部

メインディッシュは、札幌近郊でフレンチレストラン「AGRISCAPE」を運営する吉田夏織シェフが手掛けた「ポワロ―ネギと黒豚のテリーヌ~山葵の香~」。大自然の恵みである山菜、野草、クレソンを散りばめ、北海道の自然そして人々の想い・力で生み出した1皿である。
 

続いて、道東の鶴居村で創作料理を提供している服部大地シェフによる「シタカラ農園 無農薬無肥料豆のタルト」およびデザートとして「羊のヨーグルト ビーツのシロップ」。さすが北海道らしい豊かな乳製品をたっぷりと使った味わい深いメニューだった。

2種類のワインとソフトドリンク

添えられたドリンクは余市町の赤ワイン「ピノ・ノワール2018」、極めて甘くて飲みやすい池田町の「山幸アイスワイン2020」、それに士幌町の「シーベリーソーダ」(ソフトドリンク)。わずかな量とはいえ、極上の品々を味わえる至福のひとときであった。
 

2023年夏の北海道クルーズトレイン企画発表

北海道ツアーでの食事を担当するシェフ2人と東急の松田統括部長、車両をデザインした水戸岡鋭治氏
ランチタイムが終わると、3号車マルチカーに移動して、北海道ツアーの説明会が行われた。2023年は7月から9月にかけて9回の運行が予定されている。
 
北海道を走るTHE ROYAL EXPRESSのイメージイラスト (C) ドーンデザイン研究所​​​​

そのうち3回は、札幌発着で十勝川温泉、釧路、摩周湖、知床、富良野と道東を中心に道内を3泊4日で一周する従来のプラン(HOKKAIDO CRUISE TRAIN、基本は1人82万円)。
 

別の3回は、HOKKAIDO CRUISE LIMITEDと銘打ち、前記の道東を中心にした1周プランを基本としつつ、牧場滞在、カヌー体験、美瑛の丘散策など豊かな大自然と触れ合う時間をたっぷり取ったプランである(基本は1人82万円)。
 

>次ページ:2023年夏の目玉は「日本最北端の旅」

 

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