マイクロソフトは2月7日(アメリカ現地時間)、AI、チャット機能、コンテンツ生成機能を内蔵した新たな検索エンジン「Microsoft Bing」(以下、Bing)とWebブラウザ「Microsoft Edge」(以下、Edge)を発表しました。目玉となるAIによるチャット機能は、これまでの検索とは異なる、あたかも人に相談しているかのような検索体験を提供してくれます。
マイクロソフトの「Bing」「Edge」とは?
Bing(ビング)は、マイクロソフトが提供する検索エンジンです。同社はEdge(エッジ)も提供していますが、こちらはWebブラウザです。ブラウザと検索エンジンの違いは、以下のように定義ができます。
検索エンジンはデータの集まりから特定のデータを検索するプログラムであり、ブラウザはWebデータ・プログラムを解読・実行して画面に表示するプログラム
Bingは、Edgeに採用されている検索エンジンです。Windows 10がインストールされたPCの検索エンジンはデフォルトがBingとなっています。詳細は「Microsoft Bingとは? 特徴やEdgeとの違いを分かりやすく解説」をご参照ください。
新BingのAIチャット機能
新Bingの最大の特徴は、AIによるチャット回答機能です。新Bingには「ChatGPT」(OpenAI社が開発したAIチャットボット)の技術が採用されており、ユーザーの質問にチャットボットが回答してくれます。
これまではユーザーが記事を検索し、それを自分で読んで答えを得る必要がありましたが、新BingはAIチャットによって関連性の高い情報を整理した上でユーザーに提示します。
BingのAIチャット事例
新Bingの検索では通常の検索結果が左側に表示され、右側にチャットボットによる自然言語の回答が表示されます。
例えば「9月に結婚記念日の旅行を計画してるんだけど、羽田か成田から3時間以内で行けるいいところを教えて」という質問には、以下の回答がチャットで提示されます。
他にも「段ボール箱とペットボトル、紙とひもだけを使って4歳児でもできる工作を教えて」と質問すると、以下の回答が提示されます。
これまでのBing検索では、ユーザーは質問に対応するであろうリンクを踏み、違っていれば元の検索結果表示ページに戻り、再度リンクを踏むという動作をしていました。
AIチャットではあらかじめユーザーが詳細に情報を盛り込んだ質問文を作成しておくことで、AIが自動的に対応する情報を整理して表示します。回答文にはリンクが貼られており、気になる情報があればさらに詳細を調べることができます。
新Bingのチャット機能を利用するには?
現在は特定の質問クエリだけが試せる限定プレビューの状態であり、限定プレビューではあらかじめ用意された12個の質問クエリを試すことが可能です。
チャット機能を使用するには、順番待ちリストに登録する必要があります。登録にはマイクロソフトアカウントが必要です。
順番が来ると、「Bing.com」で新しいBingにアクセスできることを知らせるメールが届き、通常の検索ボックスに入力を開始できます。
Edgeの新機能
Edge側でも、アップデートが実施されます。文章のひな形を作成する「compose」機能と、Webサイトの要約や内容に関するインタラクティブなQ&Aを提供する「chat」機能が搭載されます。
compose機能では、例えば記事やメールを書く際に、簡単な概要を入力することで、AIがサンプルとなる文章を出力するといったことが可能になります。chat機能は、長くて分かりにくいビジネス文書の要約文を作成する、2つの決算報告書の比較表を出力するといったことを可能にします。
新しいBing、Edgeはまるで有能な秘書のように手厚いサポートを提供することから、マイクロソフトはこれらのツールを「WebのAI副操縦士」(AI copilot for the web)と表現しています。
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