【ネタバレ】映画の主人公「宮城リョータ」の深掘りについて
カミグチ:宮城リョータに兄がいたのは、良い意味で印象が変わりました。私自身もそうですし、きょうだいでバスケをやる人も多いので、一緒に練習するシーンとか、兄と比べられてしまうシーンとか、印象深かったです。好きなキャラの順番が変わるかなと思うほど、宮城リョータの印象が変わりました。皆さんどうでしたか?
フクシマ:正直なところ、少し悲しすぎたかな、と思います。今までなんとなく自分の中では、リョータは、ただヒマだからちょっと不良っぽい、みたいな軽いおちゃめなイメージだったので、ここまで暗い背景を背負ってしまったか……と。今までの軽~いリョータのイメージをもう抱いてはいられないことが少し悲しくもあります。
ただ、どうしても今回の映画で初めてスラムダンクに触れる人の存在を考えると、バスケの試合シーン以外で、惹きつけるストーリーが必要だったのだろうと思ったりします。
ミムラ:宮城の魅力って、「軽やかなお調子者」みたいな部分でもありますもんね。余裕そうに見えて、あんなに心臓バクバクしてたんだ……みたいな驚きがありました。
カミグチ:そうそう、宮城はいつもひょうひょうとしている印象だったので、意外でした。どちらかというと、ギャグ要員とまではいかないけど、盛り上げ役みたいな。なので、試合シーンの随所にさりげなくギャグ要素が入っていたのは、そのままで安心しました。
ミムラ:主人公の花道と本質的に似た明るさがあるような印象でしたよね。原作でもギャグ要素多めのイメージです。
フクシマ:あと、どれだけ彩子さんが好きかがまったくなかったですね。
ミムラ:たしかに! 「アヤちゃん」とか言ってるシーンがなかった!
カミグチ:そうそう、回想シーンでは1回しか2人の会話場面なかったですよね。「アヤちゃん」呼びもなかった!
【ネタバレ】中学時代の三井が登場するシーンにも一同大興奮!
ミムラ:今回の映画版では、ひたすらリョータと家族の物語にフォーカスされていましたよね。特に、兄との関係性。個人的には、兄を事故で亡くした後、リョータが中学時代の三井と初めて出会うシーンに感動してしまいました……。
カミグチ:分かります! 兄という存在を失って1人で練習していたところに、兄と同じくらいの年齢の三井が現れて。1on1の相手をしてくれるシーンはぐっと来ましたね。
ミムラ:一瞬、三井と兄を重ね合わせるシーンがあって……。三井もまだグレる前で、とっても優しくていい人(笑)。
カミグチ:井上先生がブログの中で「自分が歳を重ねるにつれてキャラクターたちをとらえる視点の数も少しずつ増えていく」「今回の映画は新たな視点で描いたスラムダンク」と書かれていて、高校バスケ以外の家族関係の要素が宮城リョータのシーンに表れていたのかな、とも思いましたね。
フクシマ:今まで登場人物の背景にまったく目を向けたことはなかったんですけど、今回の映画で家族構成とか、過去について急に興味を持ちました。
ミムラ:宮城以外のキャラのバックグラウンドも、少しではありますが描かれていますよね。花道の不良時代とか、ゴリ(赤木)の1~2年生時代の孤独とか。
カミグチ:たしかに、試合中随所に各キャラのシーンが出てきましたね。流川と三井がちょっと少ないかなとも思いましたが、全体的には各キャラの魅力や特徴が少しずつ盛り込まれていた気がします。
フクシマ:流川、少なかったですね!
カミグチ:ですよね! あと、この映画だけを観た人は、桜木が主人公だとは思わないはず(笑)。
ミムラ:たしかに(笑)。
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