施行とは? 正しい読み方は「しこう」「せこう」? 「施工」との違いや意味も解説

「施行」とは、法律や規則、政策などを実際に実施することを意味します。「施行」の読み方として、「しこう」と「せこう」で迷う人も多いかもしれませんが、「せこう」と読む「施工」と区別するため「施行」は「しこう」と読むのが一般的です。

施工の正しい読み方は?
「施行」の正しい読み方は「しこう」「せこう」どっち?現役アナウンサーが解説!

「法令が施行される」などという場合の「施行」という言葉、皆さんは何と読んでいますか? 「しこう」と読む方もいれば、政治家のスピーチなどで「せこう」と読むのを聞いたことがある人もいると思います。
 

今回は「施行」について、「しこう」と「せこう」どちらの読み方が正しいのかをフリーアナウンサーの笠井美穂が解説していきます。
 

<目次>
「施行」とは
「施行」の正しい読み方は? 一般的には「しこう」
「施行」と「施工」の違い
施行(しこう)の読み方をマスターしよう

「施行」とは

「施行」とは、法律や規則、政策などを実際に実施することを指します。具体的には、法律を施行する、規則を施行する、政策を施行するなどのように使われます。  

「施行」の正しい読み方は? 一般的には「しこう」

・「施行」の読み方は4種類ある

上記のように、「施行」には、「しぎょう」「しこう」「せぎょう」「せこう」と4種類の読み方があり、どれも正しい読み方となります。また、読み方によって意味も変わってきます。

 

・一般的な読み方は「しこう」

しかし、『精選版 日本国語大辞典』の「せぎょう(施行)」の項には次のような補注があります。

現代では「しこう」が普通であるが、法律などが制定されたのち、その効力を現実に発生させる意の法律用語では「せこう」が慣用される。

 
また、多くの人にとって分かりやすい表現が求められる放送で使う言葉を解説した『NHKことばのハンドブック 第2版』(NHK出版)には次のように記載されています。

施行 〇シコー ×セコー

 
さらに、毎日新聞 校閲センターが運営するWebサイト『毎日ことば』で2021年11月9日に公開された記事では、「施行」の読み方を「施工」と比較してどう読むかというアンケートが紹介されています。
 

記事によると、「施行=しこう」「施工=せこう」と読む人が68.5%で、「施行」「施工」どちらも「しこう」と読むと答えた5.8%と合わせると、7割以上の人が「施行」を「しこう」と読んだという結果が示されています。
 

アンケートの対象や母数は分かりませんが、一定の人が「施行」を「しこう」と読んでいることが分かります。
 

こうしたことから、「施行」の読み方は、現代においては「しこう」が一般的だといえるでしょう。

「施行」と「施工」の違い

では、「施行」と「施工」の違いとは何でしょうか。

まず、「施行」を一般的な読み方の「しこう」と読む場合には、ほどこし行なうこと、政策などを実行することが主な意味となるでしょう。

一方で、「施工」の意味は、計画された工事を実施すること。

「施行」と「施工」の違いとしては、「施行」が単に、何か計画を実行することに使う言葉であるのに対し、「施工」は工事に限定された言葉であるというところにあるでしょう。

【関連記事】「施工」とは? 正しい読み方や「施行」との違い、使い方、例文 

施行(しこう)の読み方をマスターしよう

「施行」には4種類の読み方がありますが、現代では「しこう」と読むのが一般的でしょう。

また、「施」を使う似た言葉には「施工」や「施策」がありますが、これらはそれぞれ「施工(せこう)」、「施策(しさく)」と読むのが一般的です。「施工」には「しこう」の読み方もありますが「施行」と読み分けるために「せこう」が一般的になったと考えられます。また、「施策」は「しさく」が正しい読み方です。

「施行」に関しては「せこう」など「しこう」以外の読み方を用いても間違いではありませんが、より一般に浸透している読み方として、「施行=しこう」をこの機会に覚えていただければ幸いです。

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

編集部が選ぶおすすめ記事

注目の連載

  • ヒナタカの雑食系映画論

    実写ドラマ版『【推しの子】』絶賛レビュー! 齋藤飛鳥が完璧で究極の「星野アイ」だった理由

  • 世界を知れば日本が見える

    「民主主義の崩壊」兵庫県知事選、なぜ“陰謀論”が広まったのか。日本が「選挙×SNS」を対策できないワケ

  • 恵比寿始発「鉄道雑学ニュース」

    静岡の名所をぐるり。東海道新幹線と在来線で巡る、「富士山」絶景ビュースポットの旅

  • アラサーが考える恋愛とお金

    「友人はマイホーム。私は家賃8万円の狭い1K」仕事でも“板挟み”、友達の幸せを喜べないアラサーの闇