「体育」と「スポーツ」は何が違う? なぜ「体育の日」は「スポーツの日」に? 【スポーツの日の豆知識】

10月10日はスポーツの日! 「体育」と「スポーツ」の違い、体育の日は元々スポーツの日だったなど、「違いの分かる人」になれるスポーツの日の豆知識をご紹介します。

10月10日はスポーツの日! 祝日法が改正され、2020年から体育の日がスポーツの日になりました。


今回は「体育」と「スポーツ」の違いなど、「違いの分かる人」になれる「スポーツの日」の豆知識をご紹介します。
 

画像出典:いらすとや

 

「体育」と「スポーツ」の違い

体育とは、身体に関する教育のこと。「Physical Education」の訳語として使用されたのが始まりとされており、現在でも学校で教える教科の名前として使われています。


一方のスポーツ(sports)は、一定のルールに則って勝敗を競ったり、楽しみを求めたりする身体活動などの総称。日本では大正時代ごろから使われるようになりました。


当初は野球やテニスなど欧米から入ってきたものだけを指していましたが、戦後には柔道や空手などの武道も含めるように。現在ではエンジンのついた乗り物を使う「モータースポーツ」、ビデオゲームを使う「eスポーツ(e-Sports)」なども広まっています。


「体育の日」から「スポーツの日」へ祝日の名称が変わったのも、スポーツがそのような広い意味を持ち、自発的に楽しむ意味も含んでいることが変更の理由とされています。


祝日法における趣旨も、体育の日の「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」から、スポーツの日では「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」に改められました。

 

「体育の日」は元々スポーツの日だった

上述した体育の日の趣旨ですが、「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」と、すでにスポーツという言葉が使われていることにお気づきでしょうか。


実は、体育の日は元々スポーツの日だったんです。というのも、1961年に制定された「スポーツ振興法」により、10月の第1土曜日が「スポーツの日」とされていました。


当時は祝日ではありませんでしたが、1964年の東京五輪大会開会式の日を記念して10月10日が「体育の日」となり、スポーツ振興法で定めたスポーツの日も体育の日に改められました。


その後、2000年以降はハッピーマンデーが適応されて10月の第2月曜日に変わりましたが、2020年は特措法により、7月の東京五輪の開会式に移動。さらに開催が翌年に延期されたため、今年2022年は3年ぶりに10月に帰ってきたことになります。


また、偶然にも体育の日が制定された当初と同じ10月10日になりました。

 

10月10日は晴れの特異日ではない

この10月10日という日付について、「東京の晴れの特異日(統計的に晴れの多い日)だから1964年の東京五輪の開会式の日に選ばれた」という説がありますが、実はこれは間違いです。


気象学ハンドブックによると、10月の晴れの特異日は10日ではなく14日。当時の五輪委員会が、晴れそうな日を気象庁に相談した結果、候補日の中から開会式のしやすい土曜日を選んだ結果、10月10日になったそうです。


とはいえ、秋の晴れ間は気持ちがいいもの。雨だとしても、インドアで楽しめるスポーツもありますし、先述の通りeスポーツだって立派なスポーツです!


初めての10月実施となる「スポーツの日」。ぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。


【おすすめ記事】
「フィットネスクラブ」と「スポーツジム」は何が違う?「違いの分かる人」になれるフィットネスの豆知識
「駐車場」と「カースペース」は何が違う?「違いの分かる人」になれる駐車場の豆知識
「蒲団」と「布団」は何が違う? 「違いの分かる人」になれる「ふとんの豆知識」
「バイク」と「スクーター」は何が違う? 「違いの分かる人」になれるバイクの豆知識
「温泉」と「スパ」は何が違う?「違いの分かる人」になれる温泉の豆知識

 

Lineで送る Facebookでシェア
はてなブックマークに追加

注目の連載

  • 「港区女子」というビジネスキャリア

    港区女子は、なぜここまで嫌われる? 自活する女性から「おごられ」「パパ活」の代名詞になった変遷

  • ヒナタカの雑食系映画論

    草なぎ剛主演映画『碁盤斬り』が最高傑作になった7つの理由。『孤狼の血』白石和彌監督との好相性

  • 世界を知れば日本が見える

    もはや「素晴らしいニッポン」は建前か。インバウンド急拡大の今、外国人に聞いた「日本の嫌いなところ」

  • 海外から眺めてみたら! 不思議大国ジャパン

    外国人観光客向け「二重価格」は海外にも存在するが……在欧日本人が経験した「三重価格」の塩対応