10月10日はふとんの日! 10が2つで「ふ(2)と(10)ん」と読めることから、全日本寝具寝装品協会によって制定されました。
今回は「蒲団」と「布団」の違いなど、「違いの分かる人」になれるふとんの豆知識をご紹介します。
「蒲団」と「布団」の違い
そもそも蒲団とは、平安時代ごろに中国から日本に伝わったとされる「座具」のこと。むしろの材料としても使われる蒲(ガマ)の葉で編まれた、丸い形の座ぶとんのようなものでした。
現在でも、中国語の「蒲団」はこの意味で使われています。
やがて木綿栽培の普及に伴い、座具から発展して布に綿を詰めた寝具としての「蒲団」が誕生。江戸時代ごろには、寝具としてのものだけを指すようになり、素材が蒲から布に変わったことで漢字も「布団」が使われるようになりました。
ふとん(寝具としての布団)のルーツは、座ぶとん(座具としての蒲団)だったというのは面白いですね。
「ふとん」と「futon」の違い
英語の「futon」は、日本語の布団を語源とする借用語ですが、指しているものが違います。
futonとは、なんと「マットレスの片側が折り畳めて背もたれになるタイプのソファーベット」のこと。
フレーム部分が「futon frame」、マットレス部分が「futon mattress」と呼ばれ、別々に買うこともできます。
嘘みたいですが、futonで画像検索すると本当にソファーベットが出てくるのでぜひ試してみてください……!
布団とソファーベット、意味が微妙に違うので、英語圏の方と会話する際は混乱しないようご注意ください。
「座ぶとん」と「クッション」の違い
クッションとは、布製の袋に羽毛などの柔らかい素材を詰めたもの。14世紀には西洋の宮廷目録での登場が確認されている、歴史ある調度品です。
床に敷いて座る用途で作られている座ぶとんに比べて、クッションはソファーなどに置いて寄りかかったり、枕にしたりする用途であるため、弾力性とボリュームがあるのが特徴。
また、使わないときに重ねて収納される座布団と違い、クッションはソファーやベッドに立てかけておく装飾品としての側面もあるため、おしゃれなものが多いのも特徴です。
なお、床に座る風習がない海外では、座ぶとんは瞑想の際に使うものとして「meditation cushion」などとも呼ばれています。
おふとんが気持ちいいと、癒されますよね。ぜひこの機会に、家の布団を天日干し、あるいは新調などしてみてはいかがでしょうか。
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